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狂い咲く花
第35章 三、桔梗 - 深い愛
「悪いとは思ったんだが、昨晩の話を少し聞いた…何があったか話してくれ。美弥が帰ってきたときに全て分かって迎え入れてやりたい」
父様が葉月に頭を下げた。
下げられるような人間ではないのにと葉月は思った。
全ての原因は自分なのだからと。
「父さん…俺…」
そこから言葉が続かない。
どこから、何を言って良いのか分からなかった。
全てを話したら軽蔑されるのではないかと思うと躊躇する。
「なぁ…ずっと気になっていることがある。…今更だが、なぜ麻耶だったんだ?麻耶のこと好きだったのか?…そこからおかしくなってないか?」
言葉にできない葉月の変わりに父様が核心を突いてくる。
父様が言うとおり、正にそこから3人の人生が狂い始めていた。
一つの過ちから連鎖のごとく張り巡らされていく負の螺旋。
抗えば抗う程、泥沼に沈んでいく。
誰かの手が差し伸べられなければ、そこから抜け出すのは不可能なところまで沈みきっていた。
その手が父様の手だと葉月は思った。
自分ではどうしようもないこの泥沼から美弥を、麻耶を救い出してくれるのはこの手なのだと。
「全て…全て話します。だから…美弥と麻耶を救ってやってください」
正座をして深々と頭を下げ、全てを話す決意をする。
父様が葉月に頭を下げた。
下げられるような人間ではないのにと葉月は思った。
全ての原因は自分なのだからと。
「父さん…俺…」
そこから言葉が続かない。
どこから、何を言って良いのか分からなかった。
全てを話したら軽蔑されるのではないかと思うと躊躇する。
「なぁ…ずっと気になっていることがある。…今更だが、なぜ麻耶だったんだ?麻耶のこと好きだったのか?…そこからおかしくなってないか?」
言葉にできない葉月の変わりに父様が核心を突いてくる。
父様が言うとおり、正にそこから3人の人生が狂い始めていた。
一つの過ちから連鎖のごとく張り巡らされていく負の螺旋。
抗えば抗う程、泥沼に沈んでいく。
誰かの手が差し伸べられなければ、そこから抜け出すのは不可能なところまで沈みきっていた。
その手が父様の手だと葉月は思った。
自分ではどうしようもないこの泥沼から美弥を、麻耶を救い出してくれるのはこの手なのだと。
「全て…全て話します。だから…美弥と麻耶を救ってやってください」
正座をして深々と頭を下げ、全てを話す決意をする。