この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狂い咲く花
第36章 三、吾亦紅 – 変化
いつでも麻耶の事は一番に分かっていたはずが、今は何一つ麻耶の心が分からなかった。
「麻耶の家に行こう…そこで美弥の話をしよう…いいね」
母様に聞こえないように小声で話す。
美弥の名前を聞いた麻耶は小さく頷いて、漸く自分の足で外に向かって歩きだした。
麻耶の家に行く途中、2人は喋らなかった。
ただ今は何も話さない方がいいのかと南和は思っていた。
家に到着し南和は麻耶を後ろから抱きしめた。
肩に顔を埋めて麻耶の温もりと匂いを堪能する。
その間、麻耶は抱きしめられている腕を握りながら静かに泣いた、
「何が悲しいの?麻耶が望んだことだよ?」
「…麻耶…望んでないよ…姉様がいなくなるなんて…望んでない…」
「望んでない…?」
麻耶の言葉が南和には信じられなかった。
嫉妬に狂い、ぐちゃぐちゃに壊してほしいと懇願していた麻耶はどこにいってしまったのかと眉をひそめる。
南和は麻耶を座らせ、目の前に座り込み見上げた。
「麻耶と同じ苦しみを味わってほしかったんでしょ?ぐちゃぐちゃに壊してほしかったんでしょう?」
麻耶は頭を大きく振る。
「でも、いなくなっちゃ駄目なの。姉様は、麻耶の傍にいないと駄目なの」
必死に訴えてくる麻耶の心が分からない。
同じ意味ではないのかと頭を悩ませる。
「姉様がいないと…姉様がいないと…」
同じことを何度も繰り返す。
「麻耶聞いて…」
「麻耶の家に行こう…そこで美弥の話をしよう…いいね」
母様に聞こえないように小声で話す。
美弥の名前を聞いた麻耶は小さく頷いて、漸く自分の足で外に向かって歩きだした。
麻耶の家に行く途中、2人は喋らなかった。
ただ今は何も話さない方がいいのかと南和は思っていた。
家に到着し南和は麻耶を後ろから抱きしめた。
肩に顔を埋めて麻耶の温もりと匂いを堪能する。
その間、麻耶は抱きしめられている腕を握りながら静かに泣いた、
「何が悲しいの?麻耶が望んだことだよ?」
「…麻耶…望んでないよ…姉様がいなくなるなんて…望んでない…」
「望んでない…?」
麻耶の言葉が南和には信じられなかった。
嫉妬に狂い、ぐちゃぐちゃに壊してほしいと懇願していた麻耶はどこにいってしまったのかと眉をひそめる。
南和は麻耶を座らせ、目の前に座り込み見上げた。
「麻耶と同じ苦しみを味わってほしかったんでしょ?ぐちゃぐちゃに壊してほしかったんでしょう?」
麻耶は頭を大きく振る。
「でも、いなくなっちゃ駄目なの。姉様は、麻耶の傍にいないと駄目なの」
必死に訴えてくる麻耶の心が分からない。
同じ意味ではないのかと頭を悩ませる。
「姉様がいないと…姉様がいないと…」
同じことを何度も繰り返す。
「麻耶聞いて…」