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狂い咲く花
第36章 三、吾亦紅 – 変化
麻耶の顔に手を当てて目と目があるように顔を向けさせる。
目が合えば、口を閉じジッと南和を見つめた。

「美弥が戻って来てもいいんだね?それが何を意味するか分かっている?それでも戻ってきてほしい?」

麻耶は南和の言葉をきちんと聞き、理解したうえで頷いた。

「姉様がいい…姉様がいてくれたら他には何もいらない…」

その一言に南和は怪訝な顔をする。
今まで手に取るように分かっていた麻耶の心が全く分からなかった。
彼女が何を求め何を欲しているのか今の南和には理解できない。
それでも、南和は麻耶の願いを叶える。
それが、自分が麻耶に向ける愛だと信じて。

「いいよ。それが麻耶の願いなら叶えてあげる。」

「本当?姉様戻ってくる?」

南和と同じ場所に座り込み縋る。

「麻耶がそれを望むなら叶えるよ。」

麻耶はにっこりと笑って唇を寄せる。
軽く口づけをして離れた。

「ありがとう…南和」

それだけ告げると、南和の首に腕を回して再度口づけをする。
今度は深く激しい口づけを繰り広げる。
少し唇を開けば、麻耶の舌が入り込み南和の舌を探しだす。
それを絡め取りながらいつもの口づけをする。
麻耶は体重を南和に預け、そのまま倒れ込み、顔を手で固定し角度を変えながら何度も何度も貪りつく。
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