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狂い咲く花
第36章 三、吾亦紅 – 変化
「欲しい??」
唇を離し、軽く肩で息をしている麻耶に聞く。
麻耶は悲しそうな瞳をして首を左右に振り、抱き付いていく。
南和の温もりを確かめるかのように腕に力をいれた。
「姉様が戻って来るまで我慢する…」
いつもなら、何を置いても抱かれることを喜んでいた麻耶が我慢するという。
美弥が消えた後に麻耶の心がどのように変化したのか、誰にも分らなかった。
たぶん、麻耶自身気がついてはいない。
心の底にある本当の心を…
「そう?だったら早く美弥を連れて帰ってこないとね。」
初めて断られた南和は戸惑いながら抱き付かれた身体に手を添える。
麻耶が、そう願えば自分はそれを叶えるだけだと自分の欲に蓋をする。
彼女の望まぬことは何一つする気はない。
「もう少しこのまま抱き合っていよう。そして家に帰ろうね。」
暫くただ抱き合うだけで時間を過ごす。
何もしなくても、そこに麻耶がいるだけで幸せだと南和は感じた。
愛する者が手の中にあればそれが幸せだと。
麻耶は自分を裏切ることはないと信じていた。
「さぁ…帰ろうか?」
声を掛けると、名残惜しそうに身体を離し立ち上がる。
差し伸べた手に麻耶の手が重なり、引き上げると勢いのまま抱き付き、抱かれない代わりに、いつも以上に甘えてくる麻耶が可愛かった。
「ほらっ。帰るよ」
唇を離し、軽く肩で息をしている麻耶に聞く。
麻耶は悲しそうな瞳をして首を左右に振り、抱き付いていく。
南和の温もりを確かめるかのように腕に力をいれた。
「姉様が戻って来るまで我慢する…」
いつもなら、何を置いても抱かれることを喜んでいた麻耶が我慢するという。
美弥が消えた後に麻耶の心がどのように変化したのか、誰にも分らなかった。
たぶん、麻耶自身気がついてはいない。
心の底にある本当の心を…
「そう?だったら早く美弥を連れて帰ってこないとね。」
初めて断られた南和は戸惑いながら抱き付かれた身体に手を添える。
麻耶が、そう願えば自分はそれを叶えるだけだと自分の欲に蓋をする。
彼女の望まぬことは何一つする気はない。
「もう少しこのまま抱き合っていよう。そして家に帰ろうね。」
暫くただ抱き合うだけで時間を過ごす。
何もしなくても、そこに麻耶がいるだけで幸せだと南和は感じた。
愛する者が手の中にあればそれが幸せだと。
麻耶は自分を裏切ることはないと信じていた。
「さぁ…帰ろうか?」
声を掛けると、名残惜しそうに身体を離し立ち上がる。
差し伸べた手に麻耶の手が重なり、引き上げると勢いのまま抱き付き、抱かれない代わりに、いつも以上に甘えてくる麻耶が可愛かった。
「ほらっ。帰るよ」