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狂い咲く花
第36章 三、吾亦紅 – 変化
「誰だ!!」
扉の直ぐ傍から宝賀の低い声が聞こえてきた。
宝賀が警戒しているのがよくわかる。
「僕だよ…ちょっと話があるんだけどいいかな?」
南和が声を掛けると、息を吐く音が聞こえた。
そしてガタガタと音がして扉が開く。
「宝賀…あれはやりすぎでしょう…声が外に筒抜け…」
笑いながら入ろうとした南和は片手で鼻と口をふさいだ。
部屋の中に充満している匂いに気が付き、それが何なのか直ぐに分かった。
「…この匂い…」
「美弥を抱くには良い代物だろう?媚薬香は」
宝賀は戸口に背中を預けて中の美弥の状態を顎で示した。
そこには無情にも裸で横たわる美弥の姿があった。
その姿を遠目から見た南和の顔が強張る。
「媚薬香だけじゃないよね…違うクスリ…混ぜているよね」
南和の一言に宝賀はニヤリと笑った。
そして、先ほどの異様な美弥の喘ぎの理由を理解した。
「さすがだな。けど心配するな。毎回混ぜているわけでもない。それに少量だ。中毒になるほどではないさ」
「宝賀…誰も誘拐しろなんて言ってないよね…今、どれだけ大騒ぎになっているか分かっているの?このままだったらいずればれるよ…その前に美弥は連れていく」
笑顔を見せずに南和ははっきりと告げた。
その言葉に宝賀は南和を睨みつけた。
「勝手に美弥が来たんだよ。誰も引き留めていない。昼間は一人だし、出ていきたければ出ていけとも言ってる…ここにいることは美弥が望んでいる事だ。人のせいにするな」
扉の直ぐ傍から宝賀の低い声が聞こえてきた。
宝賀が警戒しているのがよくわかる。
「僕だよ…ちょっと話があるんだけどいいかな?」
南和が声を掛けると、息を吐く音が聞こえた。
そしてガタガタと音がして扉が開く。
「宝賀…あれはやりすぎでしょう…声が外に筒抜け…」
笑いながら入ろうとした南和は片手で鼻と口をふさいだ。
部屋の中に充満している匂いに気が付き、それが何なのか直ぐに分かった。
「…この匂い…」
「美弥を抱くには良い代物だろう?媚薬香は」
宝賀は戸口に背中を預けて中の美弥の状態を顎で示した。
そこには無情にも裸で横たわる美弥の姿があった。
その姿を遠目から見た南和の顔が強張る。
「媚薬香だけじゃないよね…違うクスリ…混ぜているよね」
南和の一言に宝賀はニヤリと笑った。
そして、先ほどの異様な美弥の喘ぎの理由を理解した。
「さすがだな。けど心配するな。毎回混ぜているわけでもない。それに少量だ。中毒になるほどではないさ」
「宝賀…誰も誘拐しろなんて言ってないよね…今、どれだけ大騒ぎになっているか分かっているの?このままだったらいずればれるよ…その前に美弥は連れていく」
笑顔を見せずに南和ははっきりと告げた。
その言葉に宝賀は南和を睨みつけた。
「勝手に美弥が来たんだよ。誰も引き留めていない。昼間は一人だし、出ていきたければ出ていけとも言ってる…ここにいることは美弥が望んでいる事だ。人のせいにするな」