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狂い咲く花
第36章 三、吾亦紅 – 変化
「どっちでもいいんだよ。このまま話が大きくなると、こっちが危ないんだ…宝賀だってばれるわけにいかないよね。それとも、またお父さんにもみ消してもらう?さすがに今回は無理だろうね」
その一言に宝賀は舌打ちをする。
やっと見つけた安らぎの場を取られると思うと腹の内が煮えたぎる。
それでも、この悪行がばれれば色々なことがばれてしまうのも都合が悪かった。
「どうするんだ?」
「とりあえず、賊の仕業に見せかける。ここを勝手に根城にしているってね。ばれそうなものがあったら持って帰って。このまま家に帰っておじさんたちを連れてくるから…その間に消えて」
南和の算段に宝賀は舌を巻く。
「…分かった…お前が来る前に消えるさ」
「うん。それでいいよ。あとは僕がやるから…当分は美弥には近づかないでね。宝賀が捕まったらこっちまでやばいから」
言いたいことだけ伝えて南和は帰って行った。
姿が見えなくなるのを確認して宝賀は力任せに扉を閉めた。
南和の上から目線にうんざりだった。
「どうかしたの…?」
今の音で気が付いたのか美弥が声をかける。
気だるい身体を動かす様子はない。
ただ瞳だけをキョロキョロさせて変化を探る。
宝賀は美弥に近づき、優しく抱きしめた。
これが最後だと思うと愛おしさが湧いてくる。
その一言に宝賀は舌打ちをする。
やっと見つけた安らぎの場を取られると思うと腹の内が煮えたぎる。
それでも、この悪行がばれれば色々なことがばれてしまうのも都合が悪かった。
「どうするんだ?」
「とりあえず、賊の仕業に見せかける。ここを勝手に根城にしているってね。ばれそうなものがあったら持って帰って。このまま家に帰っておじさんたちを連れてくるから…その間に消えて」
南和の算段に宝賀は舌を巻く。
「…分かった…お前が来る前に消えるさ」
「うん。それでいいよ。あとは僕がやるから…当分は美弥には近づかないでね。宝賀が捕まったらこっちまでやばいから」
言いたいことだけ伝えて南和は帰って行った。
姿が見えなくなるのを確認して宝賀は力任せに扉を閉めた。
南和の上から目線にうんざりだった。
「どうかしたの…?」
今の音で気が付いたのか美弥が声をかける。
気だるい身体を動かす様子はない。
ただ瞳だけをキョロキョロさせて変化を探る。
宝賀は美弥に近づき、優しく抱きしめた。
これが最後だと思うと愛おしさが湧いてくる。