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狂い咲く花
第37章 三、ハハミズキ - 私の想いを受けて下さい。
南和の先導で小屋に近づく。
父様も葉月も、心の臓の鼓動が早くなる。
ゆっくりと先に進むと少し開けた場所に出て、そこにぽつりと建つあばら屋。
扉の隙間から漏れる光で中に誰かがいるのが分かった。
「先に様子を見てきます。皆さんはここでお待ちください。」
一人の僧侶が落ち着いて告げると、ゆっくりと小屋に近づいて行った。
扉に顔を近づけ中の様子を探る。
小屋の中は物音一つせず静かだった。
もしかしたら、もうここにはいないのではないかと僧侶は思った。
「静かすぎます…我々の事に気が付いたのかもしれません…」
みんなの元に戻った僧侶が告げると、誰もが言葉を失った。
ここまで来て、美弥の手を取ることができないのかと父様と葉月は落胆した。
「夜中だよ…でかけてるだけかもしれない…盗賊って夜動くんでしょ?」
美弥以外誰もいないと知っている南和が口を開いた。
「そうとも限りませんが…明かりが差しているならまだ望みはあります…美弥さんが一人なら尚更好都合でしょう…蘇楽(そがく)合図をしたら扉を開けるぞ。中から鍵が掛かっていれば体当たりだ。それと同時に妙仁(みょうじん)は明かりを灯せ。いいか?事は一瞬だ。気を引き締めてかかれ」
年長の鉄斎(てっさい)がそれぞれに指示を出す。
「相良さん。安全が確保されてから中にお入りください…気が急くでしょうがお待ちを」
先に飛び出しそうな父様を鉄斎が戒める。
父様は素直に頷いた。
そんな父様を確認してから4名はゆっくりと近づいていく。
父様も葉月も、心の臓の鼓動が早くなる。
ゆっくりと先に進むと少し開けた場所に出て、そこにぽつりと建つあばら屋。
扉の隙間から漏れる光で中に誰かがいるのが分かった。
「先に様子を見てきます。皆さんはここでお待ちください。」
一人の僧侶が落ち着いて告げると、ゆっくりと小屋に近づいて行った。
扉に顔を近づけ中の様子を探る。
小屋の中は物音一つせず静かだった。
もしかしたら、もうここにはいないのではないかと僧侶は思った。
「静かすぎます…我々の事に気が付いたのかもしれません…」
みんなの元に戻った僧侶が告げると、誰もが言葉を失った。
ここまで来て、美弥の手を取ることができないのかと父様と葉月は落胆した。
「夜中だよ…でかけてるだけかもしれない…盗賊って夜動くんでしょ?」
美弥以外誰もいないと知っている南和が口を開いた。
「そうとも限りませんが…明かりが差しているならまだ望みはあります…美弥さんが一人なら尚更好都合でしょう…蘇楽(そがく)合図をしたら扉を開けるぞ。中から鍵が掛かっていれば体当たりだ。それと同時に妙仁(みょうじん)は明かりを灯せ。いいか?事は一瞬だ。気を引き締めてかかれ」
年長の鉄斎(てっさい)がそれぞれに指示を出す。
「相良さん。安全が確保されてから中にお入りください…気が急くでしょうがお待ちを」
先に飛び出しそうな父様を鉄斎が戒める。
父様は素直に頷いた。
そんな父様を確認してから4名はゆっくりと近づいていく。