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狂い咲く花
第38章 三、緋衣草 - 家族愛
「今更だな…もっと早くその言葉を聞きたかった…。」
父様が、すぐさまに口を開いた。
「葉月の言う通りだ。麻耶も大事な娘だ。不幸になる麻耶を前にして素直に喜んでやれるわけにはいかん…」
「あなた…」
父様の言葉に驚き母様が口を挟む。
何かを言いたげな母様の言葉を父様は手で制する。
「けどな。2人が結ばれることは昔からの願いでもあるんだぞ…どんなに仲を引き裂かれようと求めあった2人だ。…結ばれるのが運命なんだろう。…美弥が幸せなら、俺たちはそれでいい。麻耶の事は任せておけ」
父様の言葉に葉月と美弥はほっとした。
分かっていても葉月は緊張していた。
「葉月ちゃん…美弥をよろしくね。今度こそ幸せになってね」
母様が2人に近づき身体を起こす。
「『あなたが幸せでなければ私は幸せではない』その逆も然り。相手を思い合うことこそが愛であり信頼である。言葉に意味を求めるな。辛く悲しい時こそ心で相手を見よ。言葉の奥深くに潜む真実を見極めよ」
和尚が言葉を投げかけ、優しく微笑む。
「美弥、葉月と幸せにおなりなさい。人とは傷つき成長するもの。麻耶もまた成長せねばならない。だから、気にするでない」
美弥は和尚の言葉に静かに頷いた。
父様が、すぐさまに口を開いた。
「葉月の言う通りだ。麻耶も大事な娘だ。不幸になる麻耶を前にして素直に喜んでやれるわけにはいかん…」
「あなた…」
父様の言葉に驚き母様が口を挟む。
何かを言いたげな母様の言葉を父様は手で制する。
「けどな。2人が結ばれることは昔からの願いでもあるんだぞ…どんなに仲を引き裂かれようと求めあった2人だ。…結ばれるのが運命なんだろう。…美弥が幸せなら、俺たちはそれでいい。麻耶の事は任せておけ」
父様の言葉に葉月と美弥はほっとした。
分かっていても葉月は緊張していた。
「葉月ちゃん…美弥をよろしくね。今度こそ幸せになってね」
母様が2人に近づき身体を起こす。
「『あなたが幸せでなければ私は幸せではない』その逆も然り。相手を思い合うことこそが愛であり信頼である。言葉に意味を求めるな。辛く悲しい時こそ心で相手を見よ。言葉の奥深くに潜む真実を見極めよ」
和尚が言葉を投げかけ、優しく微笑む。
「美弥、葉月と幸せにおなりなさい。人とは傷つき成長するもの。麻耶もまた成長せねばならない。だから、気にするでない」
美弥は和尚の言葉に静かに頷いた。