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狂い咲く花
第38章 三、緋衣草 - 家族愛
─…
──…
───…
薄っすらと目を開けると父様が肩肘を立てて手枕で美弥を見下ろしていた。
「おはよう。美弥」
先ほどの夢と変わらない優しい微笑みに美弥はほっとした。
反対側を見れば、母様がまだ眠っている。
「ゆっくり眠らせておこう。起きたら美弥が帰ってきたのが夢だったら嫌だって寝付けなかったみたいだから」
「ごめんなさい…母様」
2人の愛情を疑って、帰ることを拒んでいたことを後悔した。
「謝るな。美弥、お前の心を知らずにいた俺たちも悪いんだから。お前はいらない子では決してない。お前たちが生まれてきた時、どんなにうれしかったか…お前たちが俺たち夫婦に幸せを運んできてくれたんだぞ?2人がいなければこんな幸せ味わえなかったんだ」
夢と同じ言葉を父様は話す。
それは不思議な感覚で、しかしその深い愛情は届いていた。
「父様…夢をみてたの…小さかった頃の夢…ちゃんと愛情貰っていたのに忘れていた…いつも麻耶ばかりかわいがっている場面しか覚えてなくて…その後に父様と母様に抱きしめられていたこと忘れてた…いっぱい愛情注いてくれていたのに…ごめんなさい」
「覚えてるか?『ほんの少し…本当にほんの少し、麻耶より美弥の方が大事なのは秘密だ』」
父様は片目を瞑っていたずらっ子のように笑った。
「母様にも秘密…」
──…
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薄っすらと目を開けると父様が肩肘を立てて手枕で美弥を見下ろしていた。
「おはよう。美弥」
先ほどの夢と変わらない優しい微笑みに美弥はほっとした。
反対側を見れば、母様がまだ眠っている。
「ゆっくり眠らせておこう。起きたら美弥が帰ってきたのが夢だったら嫌だって寝付けなかったみたいだから」
「ごめんなさい…母様」
2人の愛情を疑って、帰ることを拒んでいたことを後悔した。
「謝るな。美弥、お前の心を知らずにいた俺たちも悪いんだから。お前はいらない子では決してない。お前たちが生まれてきた時、どんなにうれしかったか…お前たちが俺たち夫婦に幸せを運んできてくれたんだぞ?2人がいなければこんな幸せ味わえなかったんだ」
夢と同じ言葉を父様は話す。
それは不思議な感覚で、しかしその深い愛情は届いていた。
「父様…夢をみてたの…小さかった頃の夢…ちゃんと愛情貰っていたのに忘れていた…いつも麻耶ばかりかわいがっている場面しか覚えてなくて…その後に父様と母様に抱きしめられていたこと忘れてた…いっぱい愛情注いてくれていたのに…ごめんなさい」
「覚えてるか?『ほんの少し…本当にほんの少し、麻耶より美弥の方が大事なのは秘密だ』」
父様は片目を瞑っていたずらっ子のように笑った。
「母様にも秘密…」