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狂い咲く花
第39章 四、雛菊 - 平和
唇を離し横になろうとすると美弥は葉月の着物の端を握り、顔を赤らめて葉月を見つめ、目を閉じる。
葉月はその意味を組み、美弥の頬に愛おしそうに手を添えた。
少し顎を持ち上げて、先ほどと同じ唇を重ね、そして少し開いている唇の合間から舌を滑り込ませた。
ビクンッと身体が反応するのが葉月に伝わる。
着物の端を握る手にも力こもる。
葉月は焦ることなく、ゆっくりと舌を動かし美弥の舌を絡め取る。
お互いの舌が絡み合い一つになる感覚がした。
何度も角度を変えながら、気持ちを込めて熱い口づけを続けた。
そのまま美弥を布団の上に押し倒して、いつまでも口づけをする。
葉月は美弥の帯を解いて着物の前をはだけさせ、手を這わせた。
快楽を与える為ではなく、自分がここにいるのだと知らしめるために敏感な場所は避け身体を擦る。

「美弥…俺の体温感じる?」

唇を離して聞くと、甘い口づけの余韻を残しながら美弥は頷く。

「そう。よかった…俺だけを感じて。俺は心で美弥と繋がりたい。身体はその後でいい。」

「私も…私の心は全て葉月にあげる…もう、葉月しかいならい…」

麻耶と同じことを口にするものだと驚いた。
けれど、双子の姉妹なのだから根本的なことは似ているのかもしれないと葉月は思った。
そして、美弥に素直に求められることがうれしかった。

「父さんたちと相談して、麻耶には全て話すから。待ってて」

その言葉に美弥の顔が歪む。

「麻耶…悲しむわね…大切な妹なのに…」

自分の幸せのために麻耶が傷つくのを恐れている。
自分が幸せになれば麻耶が傷つく。
麻耶が幸せになれば自分が傷つく。
どうすれば一番いいのかと美弥は悩んでいた。
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