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狂い咲く花
第40章 四、夾竹桃 - 注意

その言葉に、まだ一緒にいられると思うと美弥はうれしかった。
「あからさまにうれしそうな顔をされるとな…複雑だ」
美弥の笑顔を見て父様の本音がポロリと出る。
父親なら誰しも思う父親の想いだった。
家に帰ると、葉月は麻耶を布団に寝かせ美弥の元に向かった。
父様に抱かれた美弥もいつもの部屋に連れていかれて縁側に座っていた。
父様と入れ違いで葉月が入ってくる。
いつものように、美弥を後ろから抱きしめて心穏やかな時間を過ごす。
2人でいる時ほど言葉はいらなかった。
「ねぇ、…南和の事なんだけどね。麻耶への執着が凄くて、なんだか怖い…」
先ほど2人で話していたことを思い出して葉月に全てを話した。
南和の言葉。
それに伴う美弥が感じた事を。
そして、以前に幸信から言われた言葉を思い出しそれも告げた。
葉月は何も言わずに黙って聞き、全て話し終えたのを確認して葉月が口を開く。
「分かる気がする…たまに笑っていても目が笑ってない時があったり…人を馬鹿にしてるって感じる時もあったな…ただ子供だからと気にもしなかったけど…正直、あいつが分からない…本当は何を考えているか…分からなくなった」
「うん…麻耶の事を幸せにできるの自分だけだって…そう言っている南和の目が怖かった…」
思い出しただけでも美弥は震える。
「大丈夫…俺が傍にいるから…さすがの南和も何もしないよ…」
そうであって欲しいと美弥は願う。
幼いころから一緒に居た南和を疑うことはしたくなかった。
しかし、何かが引っ掛り、その不安が払拭されることなかった。
そして、その不安は的中する。
「あからさまにうれしそうな顔をされるとな…複雑だ」
美弥の笑顔を見て父様の本音がポロリと出る。
父親なら誰しも思う父親の想いだった。
家に帰ると、葉月は麻耶を布団に寝かせ美弥の元に向かった。
父様に抱かれた美弥もいつもの部屋に連れていかれて縁側に座っていた。
父様と入れ違いで葉月が入ってくる。
いつものように、美弥を後ろから抱きしめて心穏やかな時間を過ごす。
2人でいる時ほど言葉はいらなかった。
「ねぇ、…南和の事なんだけどね。麻耶への執着が凄くて、なんだか怖い…」
先ほど2人で話していたことを思い出して葉月に全てを話した。
南和の言葉。
それに伴う美弥が感じた事を。
そして、以前に幸信から言われた言葉を思い出しそれも告げた。
葉月は何も言わずに黙って聞き、全て話し終えたのを確認して葉月が口を開く。
「分かる気がする…たまに笑っていても目が笑ってない時があったり…人を馬鹿にしてるって感じる時もあったな…ただ子供だからと気にもしなかったけど…正直、あいつが分からない…本当は何を考えているか…分からなくなった」
「うん…麻耶の事を幸せにできるの自分だけだって…そう言っている南和の目が怖かった…」
思い出しただけでも美弥は震える。
「大丈夫…俺が傍にいるから…さすがの南和も何もしないよ…」
そうであって欲しいと美弥は願う。
幼いころから一緒に居た南和を疑うことはしたくなかった。
しかし、何かが引っ掛り、その不安が払拭されることなかった。
そして、その不安は的中する。

