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狂い咲く花
第41章 四、勿忘草 - 私を忘れないで
遠い昔を思い出す。
美弥が葉月を意識し始めた時。
葉月もまた美弥に特別な感情を持ち始めていた。
言葉では言えない心の声を手紙に託して美弥に渡した。
それを読んで、葉月の心を知りうれしかったことを今でも覚えていた。

「覚えているわよ。始めてくれた恋文だもの。私も葉月に恋心を抱いていたからうれしかった。一生の宝物だって思ったの。それを…」

それを麻耶は破いてしまう。
美弥だけに宛てた手紙が羨ましくて、美弥の目の前で破いてしまった。
その時に、美弥は初めて麻耶に対して手を挙げた。
叩かれた麻耶が大きな声で泣いても、美弥が優しい声をかけることはなかった。
泣いて母様に縋る麻耶を見て、美弥が折れることも謝ることもしなかった、唯一の出来事。

「フフフッ…そうね。あの時は長いこと口を聞かなかったわね。…でも、どうやって仲直りしたんだっけ?」

その先の事が思い出せなかった。
どうやって麻耶を許したのか。
どうやって自分の心に折り合いをつけたのか。

「覚えてないのか?あれだけ騒動になったのに」

覚えている葉月は少し呆れながら面白そうに笑った。

「…全然覚えてない…」

記憶を辿っても手繰り寄せられない。
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