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第42章 四、金木犀　-　真実

泰邦の動きに翻弄され、泰邦の欲が吐き出されるまで屈辱を味わいながら南和の目の前で犯された。
宝賀と泰邦に犯された時よりも美弥の心は深く傷つき壊れかける。
泰邦が欲を吐き出し、美弥の中から抜け出すまでそんなに時間はかからなかった。
その時間の長さも美弥には長くも短くも感じた。

「南和…どうして…」

「どうして助けてくれないのかって？」

泰邦が美弥の傍から離れると、腰を下ろして美弥と目線を合わせた。

「ごめんね…僕は美弥に恨みはないんだけど…麻耶からお願いされたら断れないんだ。僕」

人差し指で喉から胸の谷間をツーッとなぞる。
身体は恐怖から震えた。

「…南和…」

「駄目だよ。そんな目をしても駄目。麻耶が望むことは何でもするんだ、僕。…それが人殺しでもね」

柔らかい喋りの中に残酷な言葉を口にする。
美弥は恐怖に怯えこれから起こる恐怖に身体が震える。

「震えてるね…僕が怖い？」

「どうして…ねえ…南和はこんなことする子じゃないわよね…ただの冗談よね…」

冗談だと思いたかった。
幼馴染の南和が、こんな酷いことするなんて思いたくもなかった。
そんな思いを馬鹿にするかのようにクスッと笑って、美弥の髪を乱暴につかみ上を向かせた。