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狂い咲く花
第43章 四、瑠璃溝隠 - 悪意
「麻耶は僕に言ったんだよ『ずっと傍にいられるように姉様を殺して』って…その通りにしてあげないと。僕は麻耶が一番だから、麻耶のお願いは絶対」

南和は一歩踏み出して葉月に襲いかかった。
葉月は美弥を守るために避けることなく真正面から受け止め、もつれる様に転がった。
南和が葉月の上に乗り拳で葉月の頬を殴り、切れた唇から血が流れる。
もう1発殴ろうと振り落とした手を止め、逆の手で南和を殴り身体が横に倒れた。
今度は葉月が上に乗り胸ぐらを掴む。

「自分が何をやったか分かってるのか?麻耶が…そんな事言うはずないだろう」

「あはははははっ…おめでたいね」

南和は嘲笑い、顔を美弥に向けた。
美弥は喉に両手を添えて恐怖に怯えていた。

「まだ信じてるの?かわいい妹がそんなことしないって…。じゃあ、誰が僕に美弥を犯させ殺せって命じるの?麻耶しかいないじゃん」

「やめろ!」

「裏切られている麻耶が、美弥を好きでいると思ってるの?裏切ったら、その報いは受けるべきだよね?死に値すると思わない?」

「やめろ!!」

葉月は南和の頬を拳で殴った。
その痛みが美弥の心の痛みと重なる。
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