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狂い咲く花
第43章 四、瑠璃溝隠 - 悪意
「それ以上…美弥を苦しめるな」
「美弥、美弥、美弥…傷つけた麻耶はどうだっていいんだ。酷い男だね…そんなお前たちが麻耶を追い詰めた…心優しかった麻耶を鬼にした…お前たちが…」
怒りが爆発し、最後まで麻耶の心を顧みない葉月と美弥に憎悪が向く。
それは、麻耶の頼みではなく南和自身の憎悪だった。
空いている手で葉月を殴り体制が逆転し上になり、南和は容赦なく拳を振り下ろした。
葉月も抵抗し殴り返し、何度も何度も殴り合いお互いにお互いを傷つける。
もう自分たちのことしか考えていなかった。
だから、美弥の悲鳴にも似た絶叫が聞こえるまで気がつかなかった。
先ほどまで美弥がいた場所を見ても美弥の姿はない。
辺りを見渡すと、湖の中で美弥と麻耶の姿を見つけた。
「こっ…こないで…」
麻耶から必死に逃げようとしている美弥が湖の中に逃げ込んでいた。
手を出す麻耶を拒絶し逃げる。
「姉様…危ないよ…戻って」
優しく声を掛けてもその声は届かない。
全てが麻耶が仕組んだことだと分かった今、麻耶に対して恐怖心しかない。
「それ以上…こないで…いや…」
深い中心部に向かう美弥を麻耶は無理やり手を掴み引き寄せた。
「いや――――――――」
麻耶の腕の中に引き寄せられた瞬間、絶叫を上げて意識を手放した。
「美弥、美弥、美弥…傷つけた麻耶はどうだっていいんだ。酷い男だね…そんなお前たちが麻耶を追い詰めた…心優しかった麻耶を鬼にした…お前たちが…」
怒りが爆発し、最後まで麻耶の心を顧みない葉月と美弥に憎悪が向く。
それは、麻耶の頼みではなく南和自身の憎悪だった。
空いている手で葉月を殴り体制が逆転し上になり、南和は容赦なく拳を振り下ろした。
葉月も抵抗し殴り返し、何度も何度も殴り合いお互いにお互いを傷つける。
もう自分たちのことしか考えていなかった。
だから、美弥の悲鳴にも似た絶叫が聞こえるまで気がつかなかった。
先ほどまで美弥がいた場所を見ても美弥の姿はない。
辺りを見渡すと、湖の中で美弥と麻耶の姿を見つけた。
「こっ…こないで…」
麻耶から必死に逃げようとしている美弥が湖の中に逃げ込んでいた。
手を出す麻耶を拒絶し逃げる。
「姉様…危ないよ…戻って」
優しく声を掛けてもその声は届かない。
全てが麻耶が仕組んだことだと分かった今、麻耶に対して恐怖心しかない。
「それ以上…こないで…いや…」
深い中心部に向かう美弥を麻耶は無理やり手を掴み引き寄せた。
「いや――――――――」
麻耶の腕の中に引き寄せられた瞬間、絶叫を上げて意識を手放した。