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狂い咲く花
第43章 四、瑠璃溝隠 - 悪意
麻耶の腕の中で意識を手放した美弥を葉月は慌てて奪い返し陸にあがった。
何度も頬を叩いても目を覚ますことはなかった。
夏だというのに冷たい湖の水が体温を奪っていく。
「美弥…おい!!美弥」
何度叩いても葉月の腕の中でぐったりしている美弥が葉月の名前を呼ぶことはなかった
「姉様…」
麻耶が美弥に手を伸ばしかけると、葉月はその手を払い除け指一本触れさせなかった。
麻耶は泣きながら、その手を引っ込めた。
今の美弥を見て、自分のしたこと、犯した罪を悔いていた。
今の葉月にそんな麻耶を案じる余裕などどこにもない。
「麻耶…願い通り美弥は死んだよ…僕は麻耶の為に頑張ったよ。」
身体を引きずりながら麻耶の背中から抱きしめ、目の前で横たわる美弥を見て死んだと思っていた。
「僕の麻耶…麻耶がいてくれれば他には何もいらない…」
「離して…」
麻耶は南和に冷静に告げた。
「麻耶?」
「死んじゃったら…いなくなるんだよ。おしゃべりできなしい触ってもくれない…南和の嘘つき…」
「嘘じゃない…願ったのは麻耶だよ…僕に言ったよね。葉月じゃなくて美弥を殺してって」
何度も頬を叩いても目を覚ますことはなかった。
夏だというのに冷たい湖の水が体温を奪っていく。
「美弥…おい!!美弥」
何度叩いても葉月の腕の中でぐったりしている美弥が葉月の名前を呼ぶことはなかった
「姉様…」
麻耶が美弥に手を伸ばしかけると、葉月はその手を払い除け指一本触れさせなかった。
麻耶は泣きながら、その手を引っ込めた。
今の美弥を見て、自分のしたこと、犯した罪を悔いていた。
今の葉月にそんな麻耶を案じる余裕などどこにもない。
「麻耶…願い通り美弥は死んだよ…僕は麻耶の為に頑張ったよ。」
身体を引きずりながら麻耶の背中から抱きしめ、目の前で横たわる美弥を見て死んだと思っていた。
「僕の麻耶…麻耶がいてくれれば他には何もいらない…」
「離して…」
麻耶は南和に冷静に告げた。
「麻耶?」
「死んじゃったら…いなくなるんだよ。おしゃべりできなしい触ってもくれない…南和の嘘つき…」
「嘘じゃない…願ったのは麻耶だよ…僕に言ったよね。葉月じゃなくて美弥を殺してって」