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狂い咲く花
第43章 四、瑠璃溝隠 - 悪意
その時の事を思い出す。
南和とした会話を…

『いいよ。麻耶の物になる方法が一つだけある…僕に任せてくれる?』

『本当?麻耶の物になる??』

『ああ…麻耶以外見る事もできずに、ずっと麻耶の傍にいる方法…』

『教えて、南和教えて』

『いいよ…殺せばいいんだよ。そしたら麻耶しか見ないし麻耶だけの物になるよ…だから殺して良い?』

『殺したら麻耶の物になる?死ぬまで一緒?』

『そうだよ。死ぬまで麻耶の傍にいるよ…だから殺していい?』

『うん…ずっと麻耶の傍にいるなら…姉様を殺して』

『葉月じゃなくていいの?』

『うん。姉様でいい…姉様が傍にいてくれるなら他に何もいらない』

思い出し麻耶は静かに告げる。

「ごめんなさい…殺しちゃ駄目だよ。どんなに大好きな人を自分のモノにしたくても殺しちゃだめなの。欲しいのは心だから…殺しちゃったら心は手に入らない…」

「どうして、そんなこと言うの?麻耶が望んだから僕…。麻耶も僕を裏切るの?あんなに愛したのに。一緒に地獄まで堕ちてくれるって言ったのに…」

南和は麻耶の首に手を伸ばす。
どこまでいっても全てが自分のモノにならない麻耶を完全に自分のモノにするために麻耶の首に手を当てた。
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