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狂い咲く花
第7章 一、麝香豌豆 - つかの間の喜び
──…
───…
────…
美弥が一人でできるぐらいの大きさしか耕していない畑は、男2名にかかればあっという間に終わった。
父様がもう少し広げようかと思案し始め、母様と美弥が慌ててやめさせた。
麻耶がいるからいいだろうと渋る父様をどうにか宥め、草取りと柵の作り変えで終わらせる事ができた。
「なぁ…葉月。本当に婿に来いよ!歓迎する。…そのつもりなんだろう」
水まきをしている女性陣3名を遠目に眺めながら葉月に父様は聞く。
昼間から縁側で飲みだす父様に葉月は酒を注ぎながら返事をする。
「その時は、きちんと挨拶させていただきます。」
「ああ。2人とも俺にとっては大事な娘だ。幸せになって欲しいと思う。美弥はしっかりしていて気立てもいい。だけどいつも何かを我慢して一歩引いて物事を見ている。いつだって麻耶を優先させて自分は後で良いと言う…だから、美弥が頭を下げて願いを請う時は何も聞かずに頷いてやろうと思ってる。それが何んであれだ。…麻耶は…ガキだな。双子なのにこうも違う。面白いもんだ」
あまり一緒に時を過ごすことができない父様なりに、ふたりのことを本気で心配し愛していた。
「ええ。俺も美弥には幸せになってもらいたい」
力強く行った言葉に気を良くしたのか、葉月の背中を力強く何度も叩く。
「幸せにしてやるの間違いだろう」
一人納得して酒を豪快に流し込む。
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美弥が一人でできるぐらいの大きさしか耕していない畑は、男2名にかかればあっという間に終わった。
父様がもう少し広げようかと思案し始め、母様と美弥が慌ててやめさせた。
麻耶がいるからいいだろうと渋る父様をどうにか宥め、草取りと柵の作り変えで終わらせる事ができた。
「なぁ…葉月。本当に婿に来いよ!歓迎する。…そのつもりなんだろう」
水まきをしている女性陣3名を遠目に眺めながら葉月に父様は聞く。
昼間から縁側で飲みだす父様に葉月は酒を注ぎながら返事をする。
「その時は、きちんと挨拶させていただきます。」
「ああ。2人とも俺にとっては大事な娘だ。幸せになって欲しいと思う。美弥はしっかりしていて気立てもいい。だけどいつも何かを我慢して一歩引いて物事を見ている。いつだって麻耶を優先させて自分は後で良いと言う…だから、美弥が頭を下げて願いを請う時は何も聞かずに頷いてやろうと思ってる。それが何んであれだ。…麻耶は…ガキだな。双子なのにこうも違う。面白いもんだ」
あまり一緒に時を過ごすことができない父様なりに、ふたりのことを本気で心配し愛していた。
「ええ。俺も美弥には幸せになってもらいたい」
力強く行った言葉に気を良くしたのか、葉月の背中を力強く何度も叩く。
「幸せにしてやるの間違いだろう」
一人納得して酒を豪快に流し込む。