この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狂い咲く花
第7章 一、麝香豌豆 - つかの間の喜び

父様は葉月と美弥の関係に気がついていた。
ふたりだけで育んできた小さな愛情をくみ取っていてくれたことにうれしさが込みあがってくる。
「近いうちに、親父って呼んであげますよ」
照れ隠しに言うと、とても優しそうな顔で見返してくる。
こんな顔もできるのかと驚いてしまうほどの優しい笑顔だった。
「ああ。楽しみに待ってるぞ」
上機嫌でお酒を口に運ぶ。
普段は全く酔わない父様も今日は酔いが回ったのか縁側に寝そべって寝息を立て始めた。
日差しが強い夏でも縁側は風が通って眠気を誘っていた。
「先に寝ちゃうなんて珍しいわね」
水まきを終えた美弥が眠っている父様を見て驚く。
それでも幸せそうな寝顔を見て自分も幸せだなと感じた。
「俺と美弥の事、知っている感じだったよ。」
「…」
驚いて黙っていると葉月は続けた。
「親ってすごいな。見てないようでしっかりと見てる。俺もおじさんみたいな父親になりたいって思ったよ。」
ふたりだけで育んできた小さな愛情をくみ取っていてくれたことにうれしさが込みあがってくる。
「近いうちに、親父って呼んであげますよ」
照れ隠しに言うと、とても優しそうな顔で見返してくる。
こんな顔もできるのかと驚いてしまうほどの優しい笑顔だった。
「ああ。楽しみに待ってるぞ」
上機嫌でお酒を口に運ぶ。
普段は全く酔わない父様も今日は酔いが回ったのか縁側に寝そべって寝息を立て始めた。
日差しが強い夏でも縁側は風が通って眠気を誘っていた。
「先に寝ちゃうなんて珍しいわね」
水まきを終えた美弥が眠っている父様を見て驚く。
それでも幸せそうな寝顔を見て自分も幸せだなと感じた。
「俺と美弥の事、知っている感じだったよ。」
「…」
驚いて黙っていると葉月は続けた。
「親ってすごいな。見てないようでしっかりと見てる。俺もおじさんみたいな父親になりたいって思ったよ。」

