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狂い咲く花
第44章 四、海蘭擬 - 偽りのない心
「和尚様…美弥の傍についていると決めましたが…何かできる仕事はないでしょうか?何もせずにこのままと言うのも申し訳ないと」
生活の全てを寺に任せっきりの葉月は申し訳なく思っていた。
だからと言って、美弥を置いて外で仕事をする気にはなれない。
「そうだな…子供たちに勉強を教えてみてはどうだ?その親からお金を貰えるわけでもないが、子供たちの学びは無駄ではない。そのうち倍となって返ってこよう」
寺には貧しい子供たちが字などを習いに来ていた。
きちんと時間が決められていたわけではないが、午前中に集まることが多かった。
それを鉄斎が教えていた。
それを仕事としてやらないかと和尚は言う。
「俺で…勤まりますか?」
「大したことを教えずとも良い。字と道徳を教えればよいだけのこと。人とは何か。優しさとは何か。お前はいろんな事を思い経験してきた。それはきっと生かされる。」
「…分かりました…」
不安は拭えなかったが、何かの役に立てるのならばと返事をした。
「そんなに緊張するな。まずは鉄斎のやり方を見て見なさい。それからだ」
生活の全てを寺に任せっきりの葉月は申し訳なく思っていた。
だからと言って、美弥を置いて外で仕事をする気にはなれない。
「そうだな…子供たちに勉強を教えてみてはどうだ?その親からお金を貰えるわけでもないが、子供たちの学びは無駄ではない。そのうち倍となって返ってこよう」
寺には貧しい子供たちが字などを習いに来ていた。
きちんと時間が決められていたわけではないが、午前中に集まることが多かった。
それを鉄斎が教えていた。
それを仕事としてやらないかと和尚は言う。
「俺で…勤まりますか?」
「大したことを教えずとも良い。字と道徳を教えればよいだけのこと。人とは何か。優しさとは何か。お前はいろんな事を思い経験してきた。それはきっと生かされる。」
「…分かりました…」
不安は拭えなかったが、何かの役に立てるのならばと返事をした。
「そんなに緊張するな。まずは鉄斎のやり方を見て見なさい。それからだ」