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狂い咲く花
第44章 四、海蘭擬 - 偽りのない心
元をただせば、自分たちが悪いのだと母様は思った。
仕事が忙しく、子供たちふたりで過ごさせ寂しい思いをさせてしまったことが一番の問題ではなかったのかと。
美弥が愛情を感じていなかったように、麻耶もまた愛情を感じていなかったのではないかと。
美弥は、麻耶の面倒を見ることで心の均衡を保っていた。
麻耶は、美弥に依存することで心の均等を保っていた。
それが美弥と葉月の恋心で崩れていったのではないかと。
その夜、麻耶が眠ったその傍らで、麻耶が話してくれたこと、そして寂しい思いをさせていたことを父様に告げた。
「すべて…麻耶が悪いわけではないんだな…。俺たちが…麻耶を鬼にしてしまったということか…」
麻耶の言葉、母様の言葉を聞いて父様は今までの生活を顧みた。
愛情が欲しい時に愛情を与えてあげられなかったことが原因だったと認めざる負えなかった。
「俺たちは、子供たちの心を全く分かっていなかったんだな…。もう少し早く気が付いていれば傷つかずにすんだのに…」
父様は、気づいてやれなかった自分を責めた。
どうすることも叶わないと思っても、「あの時」と悔やむことしかできなかった。
仕事が忙しく、子供たちふたりで過ごさせ寂しい思いをさせてしまったことが一番の問題ではなかったのかと。
美弥が愛情を感じていなかったように、麻耶もまた愛情を感じていなかったのではないかと。
美弥は、麻耶の面倒を見ることで心の均衡を保っていた。
麻耶は、美弥に依存することで心の均等を保っていた。
それが美弥と葉月の恋心で崩れていったのではないかと。
その夜、麻耶が眠ったその傍らで、麻耶が話してくれたこと、そして寂しい思いをさせていたことを父様に告げた。
「すべて…麻耶が悪いわけではないんだな…。俺たちが…麻耶を鬼にしてしまったということか…」
麻耶の言葉、母様の言葉を聞いて父様は今までの生活を顧みた。
愛情が欲しい時に愛情を与えてあげられなかったことが原因だったと認めざる負えなかった。
「俺たちは、子供たちの心を全く分かっていなかったんだな…。もう少し早く気が付いていれば傷つかずにすんだのに…」
父様は、気づいてやれなかった自分を責めた。
どうすることも叶わないと思っても、「あの時」と悔やむことしかできなかった。