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狂い咲く花
第45章 四、吾亦紅 - 移りゆく日々
「こんなところで何をしてる?」
段々と大きくなる声が、近づいてきていることを示す。
葉月は麻耶の横に立ち、触れようとして止まっている手を握りおろさせた。
「麻耶…ここで何してる」
低く冷たい声で言われた麻耶は逃げるしかできなかった。
「っご…ごめんなさい」
うつむいたまま踵を返し早足で2人の傍を離れた。
自分の足元だけを見て歩いていた麻耶は、目の前にいた和尚に気がつかずぶつかった。
「ごめんなさい…」
顔を上げることなくその場を去ろうとするが、その手を和尚が掴み引き止めた。
「麻耶…美弥に会いに来たのだろう?」
葉月とは正反対に優しく言葉を掛けた。
その言葉で、ぶつかった相手が和尚だと気がつき顔を上げた。
流れている涙を和尚が指で拭う。
「美弥に会いにきたのではないか?」
「…ごめんなさい…」
それだけ口にして唇を噛み締め下を向く。
声を殺して泣く麻耶を見て、頭をポンポンと叩くと背中に手を回して美弥と葉月が居るほうに歩き出した。
「いいから、来なさい」
躊躇する麻耶の背中を少し強い力で押した。
近づいてくる和尚と麻耶に、葉月は美弥の前に立ち警戒する。
「そんなに警戒するな。少し…ふたりだけにさせてあげなさい」
「しかし…和尚様」
どうしても、ふたりにはさせたくなかった。
「お前にふたりの間を裂く権利はない。どきなさい」
段々と大きくなる声が、近づいてきていることを示す。
葉月は麻耶の横に立ち、触れようとして止まっている手を握りおろさせた。
「麻耶…ここで何してる」
低く冷たい声で言われた麻耶は逃げるしかできなかった。
「っご…ごめんなさい」
うつむいたまま踵を返し早足で2人の傍を離れた。
自分の足元だけを見て歩いていた麻耶は、目の前にいた和尚に気がつかずぶつかった。
「ごめんなさい…」
顔を上げることなくその場を去ろうとするが、その手を和尚が掴み引き止めた。
「麻耶…美弥に会いに来たのだろう?」
葉月とは正反対に優しく言葉を掛けた。
その言葉で、ぶつかった相手が和尚だと気がつき顔を上げた。
流れている涙を和尚が指で拭う。
「美弥に会いにきたのではないか?」
「…ごめんなさい…」
それだけ口にして唇を噛み締め下を向く。
声を殺して泣く麻耶を見て、頭をポンポンと叩くと背中に手を回して美弥と葉月が居るほうに歩き出した。
「いいから、来なさい」
躊躇する麻耶の背中を少し強い力で押した。
近づいてくる和尚と麻耶に、葉月は美弥の前に立ち警戒する。
「そんなに警戒するな。少し…ふたりだけにさせてあげなさい」
「しかし…和尚様」
どうしても、ふたりにはさせたくなかった。
「お前にふたりの間を裂く権利はない。どきなさい」