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狂い咲く花
第45章 四、吾亦紅 - 移りゆく日々
麻耶は抱きしめられている手を取り、美弥を覗き込む。
何も映らないその目に向かって、いつも以上に穏やかに告げた。
「姉様…また来るね…」
名残惜しそうにその手を離して、和尚と葉月に深々と頭を下げた。
「いつでも来なさい…それが麻耶ができる美弥への懺悔だろう…」
「はい…」
それだけ口にすると麻耶は2人に背を向けて帰って行った。
その後ろ姿がとても寂しそうに見える。
「これからが正念場だろう…麻耶にとってつらい日々だろうな…」
自分の犯したことによって愛する者の心を奪った。
それを見続けることがどんなに残酷で辛いモノになるのかと思うと和尚は麻耶の心を気に掛ける。
やっと自分の心と向き合ったばかりの麻耶には重荷かもしれないと、麻耶の心が壊れないかと心配する。
しかし、それも麻耶に与えられた試練なんだと、和尚は目を伏せた。
何も映らないその目に向かって、いつも以上に穏やかに告げた。
「姉様…また来るね…」
名残惜しそうにその手を離して、和尚と葉月に深々と頭を下げた。
「いつでも来なさい…それが麻耶ができる美弥への懺悔だろう…」
「はい…」
それだけ口にすると麻耶は2人に背を向けて帰って行った。
その後ろ姿がとても寂しそうに見える。
「これからが正念場だろう…麻耶にとってつらい日々だろうな…」
自分の犯したことによって愛する者の心を奪った。
それを見続けることがどんなに残酷で辛いモノになるのかと思うと和尚は麻耶の心を気に掛ける。
やっと自分の心と向き合ったばかりの麻耶には重荷かもしれないと、麻耶の心が壊れないかと心配する。
しかし、それも麻耶に与えられた試練なんだと、和尚は目を伏せた。