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狂い咲く花
第45章 四、吾亦紅 - 移りゆく日々
「それとな…」
父様が言いにくそうに口を開く。
「南和の行方が分からない…」
「はっ???役所じゃないんですか?」
自分の耳を疑い大きな声で聞き、ハッとして口を手で押さえた。
「そのはずだった…だか。裏で大きな力が動いたらしい…無罪放免になり…その後の行方がわからないそうだ…。両親もあんなことになってしまったしな…。今の南和が何をするの分からん…くれぐれも美弥から目を離さないでくれ…和尚にも警戒してもらうように頼んであるから…」
落胆の色を隠せないでいた。
やっと手に入れた幸せ。
それを南和の手で壊されたくはない。
「分かりました…和尚様にも美弥は子供たちの中にいたほうがいいかもしれないと言われていますから毎日連れて行きます。…ずっと一緒にいますから…安心してください。それより、麻耶は大丈夫ですか?父さんが仕事にでたら女だけになる」
執着しているのは麻耶なのだから麻耶が一番危険なはずだった。
「それなら心配はない。俺がいない時は近所の人らが目を光らせてくれてるからな。それに、何があれば鉄斎たちが交代で来ても良いと言ってくれてる」
その言葉を聞いて葉月は安心した。
そして、それから毎日、美弥を学び舎に連れていく。
葉月と子供たちが勉強をしている間、廊下に座って外を見ていた。
しかし、あの時のように笑うことはなかった。
休憩時間になると子供たちは美弥の周りに集まりお喋りをする。
返事が返ってこなくても、美弥を中心に子供たちは時間を過ごしていた。
父様が言いにくそうに口を開く。
「南和の行方が分からない…」
「はっ???役所じゃないんですか?」
自分の耳を疑い大きな声で聞き、ハッとして口を手で押さえた。
「そのはずだった…だか。裏で大きな力が動いたらしい…無罪放免になり…その後の行方がわからないそうだ…。両親もあんなことになってしまったしな…。今の南和が何をするの分からん…くれぐれも美弥から目を離さないでくれ…和尚にも警戒してもらうように頼んであるから…」
落胆の色を隠せないでいた。
やっと手に入れた幸せ。
それを南和の手で壊されたくはない。
「分かりました…和尚様にも美弥は子供たちの中にいたほうがいいかもしれないと言われていますから毎日連れて行きます。…ずっと一緒にいますから…安心してください。それより、麻耶は大丈夫ですか?父さんが仕事にでたら女だけになる」
執着しているのは麻耶なのだから麻耶が一番危険なはずだった。
「それなら心配はない。俺がいない時は近所の人らが目を光らせてくれてるからな。それに、何があれば鉄斎たちが交代で来ても良いと言ってくれてる」
その言葉を聞いて葉月は安心した。
そして、それから毎日、美弥を学び舎に連れていく。
葉月と子供たちが勉強をしている間、廊下に座って外を見ていた。
しかし、あの時のように笑うことはなかった。
休憩時間になると子供たちは美弥の周りに集まりお喋りをする。
返事が返ってこなくても、美弥を中心に子供たちは時間を過ごしていた。