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狂い咲く花
第45章 四、吾亦紅 - 移りゆく日々
「もしも、南和が会いに来てくれたら抱きしめてあげたい。ごめんねって謝りたい。一緒に償おうって伝えたい。それでも麻耶の事を許せないなら…殺したい程憎いって思うのなら、麻耶は…抵抗はしない…それが南和の望みなら南和と共に…地獄に堕ちても良いって思ってる。南和一人で地獄に何て行かせられない」
その時、麻耶の背中に人の温かさを感じた。
振り返れば、美弥の手が麻耶の背に添えられていた。
ただそれだけなのに麻耶の心は穏やかになる。
自我がなくとも気に留める美弥の心が伝わる。
「麻耶…間違ってはならない。堕ちることは簡単だ。楽な道だ。それは誰の幸せににもならない。逆に悲しみしかうまれない。もし南和に対しても罪の意識があるのなら、共に堕ちるのではなく生きる道を探りなさい。罪を償い生きる道を。美弥のその手もそれを物語っている。」
南和と共に死のうと考えてる麻耶の心を変えさせる。
もし、本当にそのようなことがあれば取り返しがつかなくなるような気がしてならなかった。
「伝えてあげなさい。心配している美弥に、逝かないと伝えてあげなさい。」
麻耶は小さく頷いて、美弥の手を取り握る。
握られた手に力が籠ることがなくても暖かさは感じた。
「姉様…ごめんなさい。ずっと、一緒にいるから…傍にいさせてください」
その時、麻耶の背中に人の温かさを感じた。
振り返れば、美弥の手が麻耶の背に添えられていた。
ただそれだけなのに麻耶の心は穏やかになる。
自我がなくとも気に留める美弥の心が伝わる。
「麻耶…間違ってはならない。堕ちることは簡単だ。楽な道だ。それは誰の幸せににもならない。逆に悲しみしかうまれない。もし南和に対しても罪の意識があるのなら、共に堕ちるのではなく生きる道を探りなさい。罪を償い生きる道を。美弥のその手もそれを物語っている。」
南和と共に死のうと考えてる麻耶の心を変えさせる。
もし、本当にそのようなことがあれば取り返しがつかなくなるような気がしてならなかった。
「伝えてあげなさい。心配している美弥に、逝かないと伝えてあげなさい。」
麻耶は小さく頷いて、美弥の手を取り握る。
握られた手に力が籠ることがなくても暖かさは感じた。
「姉様…ごめんなさい。ずっと、一緒にいるから…傍にいさせてください」