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狂い咲く花
第45章 四、吾亦紅 - 移りゆく日々
いつものように穏やかに話せば、子供たちは声を潜め言われたことを考える。
まだ幼く素直な子供たち。
言葉で話せば耳を傾け自分の頭で考える。
「先生…もう…いいです…ごめんなさい…」
富子が今にも泣きそうな声で伝え、葉月たちに背中を向けて歩き出した。
「待って」
このまま帰らせたくなかった葉月は富子に声をかける。
葉月の言葉に足を止めた富子の所に行こうと歩き出し、美弥の横を通ろうとした時だった。
美弥の手が葉月の手に触れた。
そして…
…
……
「…大丈夫…」
とても小さな声だったが間違いなく美弥は言葉を発した。
突然の事で葉月は言葉を失い立ち尽くす。
それとは反対に美弥は腰を上げ、ゆっくりと富子の前に行き同じ目線になるようにしゃがんだ。
「…お勉強が好き?」
初めて会話らしき言葉を喋る。
その声は依然と変わらない美弥の物に葉月は涙が溢れそうになる。
富子は喋る美弥に驚きながら黙って頷き、美弥は笑って、おんぶ紐を緩めてフミを抱っこした。
「お勉強が終わるまでね」
それだけ伝えると、フミの背中をポンポンとあやしながら歩き始めた。
「でも…」
富子はどうしていいのか分からず動けないでいた。
まだ幼く素直な子供たち。
言葉で話せば耳を傾け自分の頭で考える。
「先生…もう…いいです…ごめんなさい…」
富子が今にも泣きそうな声で伝え、葉月たちに背中を向けて歩き出した。
「待って」
このまま帰らせたくなかった葉月は富子に声をかける。
葉月の言葉に足を止めた富子の所に行こうと歩き出し、美弥の横を通ろうとした時だった。
美弥の手が葉月の手に触れた。
そして…
…
……
「…大丈夫…」
とても小さな声だったが間違いなく美弥は言葉を発した。
突然の事で葉月は言葉を失い立ち尽くす。
それとは反対に美弥は腰を上げ、ゆっくりと富子の前に行き同じ目線になるようにしゃがんだ。
「…お勉強が好き?」
初めて会話らしき言葉を喋る。
その声は依然と変わらない美弥の物に葉月は涙が溢れそうになる。
富子は喋る美弥に驚きながら黙って頷き、美弥は笑って、おんぶ紐を緩めてフミを抱っこした。
「お勉強が終わるまでね」
それだけ伝えると、フミの背中をポンポンとあやしながら歩き始めた。
「でも…」
富子はどうしていいのか分からず動けないでいた。