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狂い咲く花
第46章 四、朝顔 – 硬い絆
「それを感じたとき…どんなに辛くても、私が傍にいるのは葉月の傍だって分かったの…葉月が傍にいれば他には何もいらない…。幼い頃から私の心の中には葉月しかいなかった。これからもきっと…葉月しかいないの。そこが…私の生きる場所なんだって、やっとわかったの…」

瞳の奥に強い光を感じた。
先ほどまで何も映し出さなかった瞳は、もうそこにはない。
迷いを吹っ切り、ただ葉月の傍で生きることを決めた女性しか持ち得ない力強さだった。

「戻ってきてくれありがとう…。美弥の心がなくても俺は幸せだったよ。傍に美弥がいたから。けどね。言葉を掛けても返事がなくて寂しい思いもした。傍にいるだけじゃダメなんだよな。ちゃんと心が通じ合わないと意味がない…美弥とは心で通じ合いたい。…愛してるから。何度も告げた言葉だけど、心の底から愛してる」

握られている美弥の掌に口づけを落とし、美弥を見つめる。

「私は幸せ者ね…葉月に愛されて…助けられて…。こうやって傍にいてくれる。…これからもずっと傍に…いてください」

「もちろん。もう俺たちの邪魔をする奴らはいない。これで本当に美弥と幸せになれる」

そっと額に口づけをする。
美弥は恥ずかしそうに、はにかみながら笑った。

「照れないでよ…俺まで恥ずかしくなる…」

葉月は美弥につられて顔を赤らめ苦笑いをする。

「だって…」

美弥は葉月の胸に顔を埋めた。
葉月の鼓動を感じ体温を感じる。

「だって、何?」
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