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狂い咲く花
第46章 四、朝顔 – 硬い絆
「分かってないよ。…小さい頃は…お互いの感情が言葉で伝えなくても分かることが良くあったの。それが大人になると分からなくなった。けど…さっき…久しぶりにその感覚が蘇って…麻耶の想いが伝わった。きっと私の想いも伝わってる…。私が怯えたのもきっと伝わったの…その瞬間に…麻耶の絶望も伝わってきた…。酷いことをされた私が愛されるのは当たり前で、酷い事をした自分は愛されないって…こんな自分はもういらないんだって…きっと麻耶は思ってる…」

美弥は必死に訴える。
麻耶の今の想いを分かって欲しくて必死だった。

「麻耶が…私を必要としてくれていたように…私も麻耶が必要なの…。怖いけど…許せないけど…今、麻耶を救わないと…きっと後悔する…。ねぇ…父様…母様…麻耶を愛してあげて。心から愛してあげて…」

大粒の涙を流しながら懇願する。
双子だからわかり合える想いを伝える。
父様と母様は目を合わせて静かに頷いた。

「ああ。分かった…麻耶が戻ってきたら、ゆっくり話すことにするよ。だから美弥も落ちつけ…心が戻ったばかりだ…無理をするな」

父様は美弥を横抱きにして抱きしめ、背中を撫でる。

「お願い…。…もしかしたら…狂ってたのは私かも知れないの…葉月と麻耶を見て…狂いそうだった…。だから麻耶の気持ちも分かるの…。怖いけど…麻耶と向き合うの怖いけど…」

うわごとの様に話しながら眠りに落ちていく。
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