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狂い咲く花
第46章 四、朝顔 – 硬い絆
自分が犯した罪の重さを自覚しているのも分かっていた。
しかし、本当に伝えたかったのはそれではない。
本当に伝えたかったのは…

「それでも、美弥は麻耶を連れ戻してって俺に言った。それがどういうことか分かる?どんなに酷いことされても美弥は麻耶が好きなんだよ。大切なんだ。父さんも母さんも一緒だ。いらなかったら、とっくの昔に手放してる。そうしないで傍に置いているのは大切だからだ。俺だってそう。麻耶は俺にとって大事な妹だから…」

妹と口にして、自分がまだ何も麻耶に伝えてないことに気がついた。

「麻耶…ごめんな。俺は…美弥が好きなんだ。愛してる。ずっと前から美弥だけを愛していた。それなのに…俺が優柔不断なばっかりに麻耶まで苦しめた。…麻耶を追い込んだのはきっと俺だ。心優しい麻耶を鬼に変えたのは俺なんだ…ごめんな」

もっと早くに、この言葉を言えていたらと後悔する。
全てば自分が曖昧な態度を取ったことが原因だと思い知る。
だからこそ、麻耶には伝えたかった。
誰もが麻耶を愛しているのだと。
いらない子ではないのだと。

「麻耶。麻耶はいらない子じゃない。俺がそう追い込んだんだ…」

葉月の言葉は麻耶に伝わる。

「ありがとう…。葉月…追いかけてきてくれて…ありがとう」

その言葉に葉月はホッとし、もう大丈夫だと胸を撫でおろす。

「帰ろうか…美弥が心配してる。…美弥の事は、もう少し待っててあげて…心が戻ったばかりで混乱してると思う。整理もついてないと思う。けど大丈夫だから。麻耶を連れ戻してって言ったんだから。大丈夫。」

立ち上がらせながら何度も大丈夫だと告げる。
その言葉は麻耶の心に響き、心に残る。
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