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狂い咲く花
第46章 四、朝顔 – 硬い絆
───…
「麻耶は?」
葉月に抱きしめられる形で眠っていた美弥は、目を覚まして最初に麻耶の安否を確認する。
「無事だよ。父さんと母さんと帰っていったから安心して。」
葉月の言葉に安堵した。
葉月の温もりを感じながら、美弥は眠りに付くときに口にした自分の心を思い出した。
「ねぇ…麻耶は…何か言ってた?」
「うん…また美弥を傷つけたって自分を責めてたよ…」
葉月の言葉に美弥の顔が曇り、苦しそうな表情を浮かべた。
どこまでも晴れることのない美弥の心を少しでも明るくしようと言葉を並べる。
「麻耶にね。ちゃんと伝えたから…。俺がずっと好きだったのは美弥だって。小さい頃からずっと好きだったのは美弥だって事伝えたよ。麻耶は分かってくれた…。」
「そう…私も…麻耶を傷つけてばかりね…」
「美弥?」
儚げに笑う美弥に戸惑い、どんな言葉をかけていいのか分からなくなる。
2人にしかわからない関係に置いていかれたような気がしてならなかった。
「私は…麻耶を許したいと思ってる…。簡単じゃないよ…時間かかるかもしれない…けど……麻耶が狂わなかったら…私のほうが狂ってたのかもしれないの…」