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狂い咲く花
第47章 四、アリウム – 深い悲しみ
それを聞いた美弥は、自分のせいだと責められているような気がした。
自分だけ幸せになってと言われているような錯覚に陥る。

「…ごめん…なさい…」

知らず知らずのうちに謝罪の言葉が口をつく。
その謝罪の言葉に葉月の母親は、ハッと美弥の想いに気付く。

「私こそ…ごめんなさいね。」

「いえ…」

「麻耶ちゃんの事は美弥ちゃんが気に病むことじゃないのよ。これは麻耶ちゃんの問題…必死に変わろうとしてるのよ、きっと。こればかりは誰かが手を貸してあげる事なんてできないのよね。見てる私たちが辛い…それでも私は麻耶ちゃんも大好きだから見守ってあげたいって思ってるのよ。」

「おばさま…」

麻耶の事を理解して見守っていこうとしている葉月の母親の言葉に涙がでそうになる。

「ありがとうございます…私も…麻耶の事は好きです…嫌いになんてなれない。…だけど心が追いつかない…まだ許せないんです…どうやって許せばいいのかも分からない」

「それでいいんじゃないの?麻耶ちゃんのやったことは簡単に許せる事じゃないわ。けど、美弥ちゃんがそう思ってるだけでも偉いと思うのよ。本当だったら許そうとも思わないから。それなのに美弥ちゃんは許そうとしてる。それだけでもすごいことだわ。」

葉月の母親は美弥を片手で引き寄せ抱きしめる。

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