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狂い咲く花
第47章 四、アリウム – 深い悲しみ
「自分を責めちゃダメよ。美弥ちゃんが麻耶ちゃんを許したいって思ってるなら、きっとそれが叶う時がくるから。今はまだその時じゃないってことだけ。…私たち家族も、美弥ちゃんの家族も、ちゃんとふたりを見てるからね。みんなふたり共に幸せになってほしいって思ってるから。」
抱きしめる腕に力が籠る。
「ありがとうございます…今日…おばさまに会えてよかった…」
腕の中で小さく話す美弥に、葉月の母親はいたずらっ子のように告げた
「美弥ちゃんは…いつまで私の事を“おばさま”って呼ぶのかしら?」
「えっ…」
突然の話の転換に驚いて顔を上げた。
「お母さまって…いつになったら呼んでくれるのかしら?楽しみにしてるんだけど??」
「あっ…」
美弥は顔を赤らめ下を向く。
その表情が可愛らしく、今までと違って明るく笑った。
「早く、お母さまって呼んでね」
「…………はい…」
小さく恥ずかしそうに美弥は答えた。
その後に「お母さま」と続けようとしても、言葉が詰まって続けることができなかった。
もちろん、「お母さま」と呼びたい気持ちは今も昔も変わらないのに、何かが引っ掛かり呼べないでいた。
その何かが美弥は気がついていた。
「母さん??」
美弥の後ろから葉月の声が聞こえた。
葉月の母親の腕から抜け出し顔を向けると富子が走って近づいてきていた。
抱きしめる腕に力が籠る。
「ありがとうございます…今日…おばさまに会えてよかった…」
腕の中で小さく話す美弥に、葉月の母親はいたずらっ子のように告げた
「美弥ちゃんは…いつまで私の事を“おばさま”って呼ぶのかしら?」
「えっ…」
突然の話の転換に驚いて顔を上げた。
「お母さまって…いつになったら呼んでくれるのかしら?楽しみにしてるんだけど??」
「あっ…」
美弥は顔を赤らめ下を向く。
その表情が可愛らしく、今までと違って明るく笑った。
「早く、お母さまって呼んでね」
「…………はい…」
小さく恥ずかしそうに美弥は答えた。
その後に「お母さま」と続けようとしても、言葉が詰まって続けることができなかった。
もちろん、「お母さま」と呼びたい気持ちは今も昔も変わらないのに、何かが引っ掛かり呼べないでいた。
その何かが美弥は気がついていた。
「母さん??」
美弥の後ろから葉月の声が聞こえた。
葉月の母親の腕から抜け出し顔を向けると富子が走って近づいてきていた。