この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狂い咲く花
第47章 四、アリウム – 深い悲しみ
「ありがとう…ございます」
葉月の母親に抱かれているキミを見て富子が恥ずかしそうにお礼を言った。
「この子のお姉ちゃんなんです…彼女が勉強してる時だけ私がこの子を預かってるんです」
「そうなの…泣かずに抱っこされてたわよ」
富子にフミを渡しながら告げると、富子は嬉しそうに笑ってフミをおんぶする。
「富子ちゃん、またね。」
「はい。美弥お姉ちゃん、ありがとうございます。葉月先生もまたね」
美弥と葉月にお礼を言って帰って行った。
「それより…どうしたんだよ。一人?」
廻りを見渡しながら葉月は不思議そうに聞く。
「お父さんも一緒よ。和尚様と鉄斎さんと本堂の中で話してるわ。蘭子も一緒にね」
そう告げると、葉月の顔が険しくなる。
理由を知っているふたりは面白そうに笑った。
「あなたが、そういう顔をするようになるなんてね…」
「そういう顔ってどんなだよ」
むきになる葉月に葉月の母親はうれしそうに話す。
「父親の顔よ。あなたが美弥ちゃんを見る目とは違う目…そんな顔もできるようになるなんて…不思議ね。お母さん、うれしいわ」
「当り前だろう?これでも父親なんだから…それより…美弥どうした?」
涙目になっている美弥を見て、怪訝そうな顔をしてふたりの顔を交互に見る。
「何でもないのよ…久しぶりに、お…おか…」
「おばさまでいいわよ」
一所懸命“お母様”と呼ぼうとしていることに気がついて声を掛けると、美弥はほっとしたような顔をして続けた。
「久しぶりに…おばさまと会ってうれしかったの。」
「そう?だったらいいけど…俺たちも本堂に行こうか…」
葉月の言葉に促されて3人は本堂に足を向けた。
葉月の母親に抱かれているキミを見て富子が恥ずかしそうにお礼を言った。
「この子のお姉ちゃんなんです…彼女が勉強してる時だけ私がこの子を預かってるんです」
「そうなの…泣かずに抱っこされてたわよ」
富子にフミを渡しながら告げると、富子は嬉しそうに笑ってフミをおんぶする。
「富子ちゃん、またね。」
「はい。美弥お姉ちゃん、ありがとうございます。葉月先生もまたね」
美弥と葉月にお礼を言って帰って行った。
「それより…どうしたんだよ。一人?」
廻りを見渡しながら葉月は不思議そうに聞く。
「お父さんも一緒よ。和尚様と鉄斎さんと本堂の中で話してるわ。蘭子も一緒にね」
そう告げると、葉月の顔が険しくなる。
理由を知っているふたりは面白そうに笑った。
「あなたが、そういう顔をするようになるなんてね…」
「そういう顔ってどんなだよ」
むきになる葉月に葉月の母親はうれしそうに話す。
「父親の顔よ。あなたが美弥ちゃんを見る目とは違う目…そんな顔もできるようになるなんて…不思議ね。お母さん、うれしいわ」
「当り前だろう?これでも父親なんだから…それより…美弥どうした?」
涙目になっている美弥を見て、怪訝そうな顔をしてふたりの顔を交互に見る。
「何でもないのよ…久しぶりに、お…おか…」
「おばさまでいいわよ」
一所懸命“お母様”と呼ぼうとしていることに気がついて声を掛けると、美弥はほっとしたような顔をして続けた。
「久しぶりに…おばさまと会ってうれしかったの。」
「そう?だったらいいけど…俺たちも本堂に行こうか…」
葉月の言葉に促されて3人は本堂に足を向けた。