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狂い咲く花
第48章 四、金盞花 – 絶望
「ずっと…一人なの?」
「うん。ずっと一人で寝てるよ」
甘えてくる蘭子を抱きしめながら、そこにはいない麻耶を思って代わりに強く抱きしめた。
自分が傍に居てあげられない代わりに愛してほしいと頼んでいたのにと、両親に思いが伝わっていないことが歯痒くてしょうがなかった。
一人で泣きながら寝ているかと思うと美弥の心は締め付けられる。
「ここに来ることは母様は知ってるの?」
「知ってるよ…だから、今日はずっと美弥姉様の傍にいるの…」
麻耶が知っていると分かりホッとし、部屋の中に案内する。
蘭子がいつ来ても良いように折り紙がたくさん用意してあり、飽くこともなく美弥の傍で一緒に色々なものを折り、時間が立つのも忘れる程だった。
ポツポツと雨が降り始めたのは夕方近くになっての事。
小ぶりだった雨も次第にひどくなり、本格的に降り出していた。
その中を走って葉月は帰ってくる。
「蘭子、来てたのか」
水滴を払いながら、美弥の傍にいる蘭子に気がついた葉月は蘭子の方に向けて両手を広げた。
「父様――」
葉月の顔を見た途端に、折っていた物を投げ捨てて葉月に抱き付いた。
天井につくぐらい抱き上げられ、麻耶は嬉しそうに声をあげて喜んだ。
座った後も、葉月の膝の上から離れず、ずっと傍にいた。
「うん。ずっと一人で寝てるよ」
甘えてくる蘭子を抱きしめながら、そこにはいない麻耶を思って代わりに強く抱きしめた。
自分が傍に居てあげられない代わりに愛してほしいと頼んでいたのにと、両親に思いが伝わっていないことが歯痒くてしょうがなかった。
一人で泣きながら寝ているかと思うと美弥の心は締め付けられる。
「ここに来ることは母様は知ってるの?」
「知ってるよ…だから、今日はずっと美弥姉様の傍にいるの…」
麻耶が知っていると分かりホッとし、部屋の中に案内する。
蘭子がいつ来ても良いように折り紙がたくさん用意してあり、飽くこともなく美弥の傍で一緒に色々なものを折り、時間が立つのも忘れる程だった。
ポツポツと雨が降り始めたのは夕方近くになっての事。
小ぶりだった雨も次第にひどくなり、本格的に降り出していた。
その中を走って葉月は帰ってくる。
「蘭子、来てたのか」
水滴を払いながら、美弥の傍にいる蘭子に気がついた葉月は蘭子の方に向けて両手を広げた。
「父様――」
葉月の顔を見た途端に、折っていた物を投げ捨てて葉月に抱き付いた。
天井につくぐらい抱き上げられ、麻耶は嬉しそうに声をあげて喜んだ。
座った後も、葉月の膝の上から離れず、ずっと傍にいた。