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狂い咲く花
第48章 四、金盞花 – 絶望
「いいの…蘭子には父様も美弥姉様もいるから…ふたりがいれば蘭子は寂しくないもの…美弥姉様は蘭子が一緒に住むのはイヤ?」

「嫌なわけないじゃない。私も蘭子の事大好きよ」

「本当?だったら蘭子を父様と美弥姉様の子供にして?」

大好きだと言われ蘭子は喜び、瞳をキラキラとさせた。
それを見た美弥は深く考えずに返事をする。

「そうね。蘭子が私の子供になってくれたらうれしいわ。ねっ。葉月」

「そうだな・・・三人で幸せに暮らすか」

美弥に話を振られて、葉月は話を合わせた。

「父様、美弥姉様、大好き」

うれしさのあまり、ふたりに同時に抱きつき、美弥も葉月も蘭子を抱きしめた。
それはただ蘭子に合わせて話したことだった。
他意もなければ本当に家族になろうとは美弥も葉月も思ってはいなかった。

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