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狂い咲く花
第48章 四、金盞花 – 絶望

「ずぶ濡れになって…どうしたんだ?」
たまたま通りがかった和尚が麻耶を見つけ声をかけるが、その声は麻耶の耳には届いていないかのように微動だにしない。
「…んっ?どうした?」
近寄り麻耶の肩に手を置けば、漸く和尚の存在に気がつき顔を上げた。
「探して…」
「探して?」
動揺しているのか、単語しか話せない。
「蘭子がいなくなって…」
「いなくなった??」
麻耶の言葉に驚いた和尚だったが、次の言葉に安心する。
「…姉様と一緒に…部屋の中にいるみたいだから…」
唇を噛み締めながら何かを耐えているように和尚には見えた。
「蘭子が、ここにいるのが分かればそれでいいです…帰ります」
迎えに来たのに、そのまま帰ろうとする麻耶の腕を取り優しく話しかける。
「待ちなさい…とりあえず中に入りなさい。そんなにずぶ濡れになって…それに足の裏も怪我して…どれだけ探しまわったんだ?」
麻耶の姿を見て相当な時間を探し回っていたのだと想像がつき、このまま返すわけにはいかなかった。
とりあえずは着物を着替えさせて、それからゆっくりと話を聞こうと思っていると、美弥と葉月がが障子をあけ麻耶の方に視線を向けた。
それを正面から見据えた麻耶は顔を引きつらせ怯えたように後ずさりをして和尚の身体とぶつかる。
「…ごめんなさい…」
麻耶の口から出た言葉は謝罪の言葉だった。
たまたま通りがかった和尚が麻耶を見つけ声をかけるが、その声は麻耶の耳には届いていないかのように微動だにしない。
「…んっ?どうした?」
近寄り麻耶の肩に手を置けば、漸く和尚の存在に気がつき顔を上げた。
「探して…」
「探して?」
動揺しているのか、単語しか話せない。
「蘭子がいなくなって…」
「いなくなった??」
麻耶の言葉に驚いた和尚だったが、次の言葉に安心する。
「…姉様と一緒に…部屋の中にいるみたいだから…」
唇を噛み締めながら何かを耐えているように和尚には見えた。
「蘭子が、ここにいるのが分かればそれでいいです…帰ります」
迎えに来たのに、そのまま帰ろうとする麻耶の腕を取り優しく話しかける。
「待ちなさい…とりあえず中に入りなさい。そんなにずぶ濡れになって…それに足の裏も怪我して…どれだけ探しまわったんだ?」
麻耶の姿を見て相当な時間を探し回っていたのだと想像がつき、このまま返すわけにはいかなかった。
とりあえずは着物を着替えさせて、それからゆっくりと話を聞こうと思っていると、美弥と葉月がが障子をあけ麻耶の方に視線を向けた。
それを正面から見据えた麻耶は顔を引きつらせ怯えたように後ずさりをして和尚の身体とぶつかる。
「…ごめんなさい…」
麻耶の口から出た言葉は謝罪の言葉だった。

