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狂い咲く花
第49章 四、昼顔 – 絆

父様が我慢できずに廊下にでて玄白を確認する。
「玄白先生…麻耶を…麻耶を…」
すがるように玄白に近寄るが動揺して言葉が続かない。
それを見て玄白は優しく微笑み父様の手を取った。
「分かっておるよ…まずは見てからじゃ。お主がシャンとしとらんでどうする」
60歳近い貫禄のある玄白は父様を諭し部屋の中にいる麻耶に近づいた。
診察を始めようとする玄白は一旦全員を廊下に出して診察を始めた。
外に出された者たちは、ただ診察が終わるのを待つしかなかった。
部屋の中からはカチャカチャと言う音と、麻耶の荒い息遣いが聞こえてくるだけだった。
その音もおさまり、障子が開き中に入るように促される。
全員が入ったのを確認すると玄白は口を開いた。
「はっきりいうが…熱が下がらなければ先の見込みはない…」
穏やかな口調ではあったが、その言葉を理解するのに時間は必要なかった。
「逆に言えば、熱が下がれば問題はないということじゃ」
「先生、どうすればいいんですか?」
「どうもできんよ…後は麻耶次第じゃ…この子の生きる望みと生命力にかけるしかない…」
「そんな…」
玄白の言葉に誰もが覚悟をする。
覚悟をしても、それを受け入れることなどできなかった。
「先生。お願いします…麻耶を助けて…助けてください」
美弥が必死に頼み込んでも、玄白は静かに首を横に振るだけだった。
「玄白先生…麻耶を…麻耶を…」
すがるように玄白に近寄るが動揺して言葉が続かない。
それを見て玄白は優しく微笑み父様の手を取った。
「分かっておるよ…まずは見てからじゃ。お主がシャンとしとらんでどうする」
60歳近い貫禄のある玄白は父様を諭し部屋の中にいる麻耶に近づいた。
診察を始めようとする玄白は一旦全員を廊下に出して診察を始めた。
外に出された者たちは、ただ診察が終わるのを待つしかなかった。
部屋の中からはカチャカチャと言う音と、麻耶の荒い息遣いが聞こえてくるだけだった。
その音もおさまり、障子が開き中に入るように促される。
全員が入ったのを確認すると玄白は口を開いた。
「はっきりいうが…熱が下がらなければ先の見込みはない…」
穏やかな口調ではあったが、その言葉を理解するのに時間は必要なかった。
「逆に言えば、熱が下がれば問題はないということじゃ」
「先生、どうすればいいんですか?」
「どうもできんよ…後は麻耶次第じゃ…この子の生きる望みと生命力にかけるしかない…」
「そんな…」
玄白の言葉に誰もが覚悟をする。
覚悟をしても、それを受け入れることなどできなかった。
「先生。お願いします…麻耶を助けて…助けてください」
美弥が必死に頼み込んでも、玄白は静かに首を横に振るだけだった。

