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狂い咲く花
第50章 四、杜若 - 幸せは必ず来る
「あなた」
遠くから声が聞こえた。
声がする方に顔を向けると、そこには大きなお腹をした女性が立っていた。
「今行く」
宝賀が彼女に声を掛けた。
「宝賀の奥さん…」
「ああ…やっと…人を人と思えるようになった…。そして俺は父親になる…。俺は幸せにならなくともいい…あいつと、生まれてくる子供さえ幸せならばそれでいい…」
優しい眼差しの理由が美弥には分かった。
自分より相手を思う気持ちを持った宝賀をうれしいと思った。
「宝賀も…あなたも幸せになってください…あなたが幸せなら、きっと家族も幸せになれますから…。私はあなたを恨んではいません…初めは怖かったけど…最後は優しかった…あの時は、私も宝賀に救われました…」
美弥は微笑む。
その笑顔に宝賀はまた癒される思いがした。
「美弥に出会えてよかったと思ってる…傷つけてしまったがな…」
「そう言ってもらうだけでうれしいです。私でも人の役に立てたのだと思うと生きていてよかったと思えます。」
それは正直な美弥の気持ち。
人に心配や迷惑ばかりかけてきた自分が、誰かの役にたてていると分かりうれしく誇らしかった。
遠くから声が聞こえた。
声がする方に顔を向けると、そこには大きなお腹をした女性が立っていた。
「今行く」
宝賀が彼女に声を掛けた。
「宝賀の奥さん…」
「ああ…やっと…人を人と思えるようになった…。そして俺は父親になる…。俺は幸せにならなくともいい…あいつと、生まれてくる子供さえ幸せならばそれでいい…」
優しい眼差しの理由が美弥には分かった。
自分より相手を思う気持ちを持った宝賀をうれしいと思った。
「宝賀も…あなたも幸せになってください…あなたが幸せなら、きっと家族も幸せになれますから…。私はあなたを恨んではいません…初めは怖かったけど…最後は優しかった…あの時は、私も宝賀に救われました…」
美弥は微笑む。
その笑顔に宝賀はまた癒される思いがした。
「美弥に出会えてよかったと思ってる…傷つけてしまったがな…」
「そう言ってもらうだけでうれしいです。私でも人の役に立てたのだと思うと生きていてよかったと思えます。」
それは正直な美弥の気持ち。
人に心配や迷惑ばかりかけてきた自分が、誰かの役にたてていると分かりうれしく誇らしかった。