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狂い咲く花
第51章 四、虎百合 – 私を愛して
「ねぇ…美弥は幸せ?楽しそうに笑ってたよね。」

次第に声音が変わる。

「ねぇってば…葉月と結婚して幸せになるの?」

耳元で囁かれ、ゾクリとした。
見てもいないのに、嫉妬で狂う南和の目が突き刺す。

「ねぇ!!」

一段と大きな声で怒鳴られ、美弥は身体を小さくする。
返事をしない美弥にイライラする南和は、美弥の髪の毛を乱暴に握り顔を上げさせた。
冷酷にも蔑んだ目を向ける

「幸せなの?美弥は!!」

「…ごっ…ごめん…なさい…」

謝ることしかできなかった。
何に対しての謝罪なのか分からない。
しかし、それだけしか口からでる言葉はない。

「相変わらず、むかつく」

握りしめている髪の毛を離し、持ってきたロープで美弥の手首を後ろ手に縛り、猿轡をする。
壁にもたれ掛けるように座らせると真正面に座って見据えた。

「これから…どうなるか不安?怖い??」

手を伸ばし、美弥の腰ひもを解き前を広げた。
傷一つない肌が南和の目の前にさらけだされた。
南和は、うっとりする表情で美弥の身体に触れた。
心の臓はドクリドクリと波打ち、南和の手に振動を送る。

「美弥は生きてるね…ドクリドクリと鳴ってる…これが止まることがどういうことか分かる?」

その意味を考えた美弥は蒼白になる。
心の臓が止まると言うことはそれは死を意味する。
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