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狂い咲く花
第53章 四、桔梗 ー 永遠の愛
「じゃあ、私はずっと前ね…物心ついた時から好きだった気がする。…いつも一緒で、いつも私を気にしてくれて、死ぬまで一緒だって思ったのを覚え…てる。」

お互いに顔を見合わせ笑う。
これから死を迎えるふたりだと誰も思わない。

「美弥が先か…なんかそれ嫌だな。美弥より俺が先に好きになりたかった」

「それは無理よ…。変えられようが…ないわ。」

「でもね。これが運命なんだって思う。どんなに引き離されようと心は惹かれ合ってた。無理やりに美弥への想いを隠してた。隠せると思ってたんだ。けど無理だった。何度も何度も阻まれたけど、最後はこうやって惹きつけられる。これって運命だと思わない?」

「うん。私には…葉月しかいないから…私が愛するのも、愛されるのも……葉月だけだから…。きっと…次に生まれ変わっても………会えるよね…一緒になれるよ……ね…」

美弥は浅い息をしながら葉月に力なく寄りかかる。
冷たい水の中で体力を奪われ限界が近いのを感じ、そっと抱きしめ耳元で囁く。

「もちろんだ。俺には美弥しかいない。次の世でも美弥がいなければ俺は一人だ…もう一人はイヤだから…必ず見つけ出すよ。その時は、幸せになろう。今生の分も幸せになろう。」

「うん……幸せに…なろうね…そして……きっと、見つけてね…きっと…」

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