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狂い咲く花
第10章 一、猩々木 - 祝福
膝の上に置いている手に力がこもる。
決心した言葉を伝えるために一度大きな深呼吸をして畳に付きそうなほど頭を下げ、もう後戻りはできないと自分に言い聞かせる。
「麻耶の…」
自分の物だと思えないぐらい、声が震えているのが分かった。
「麻耶のお腹には俺の子がいます」
今、2人がどんな顔をしているのか分からない。
身動き一つせずに、声を発することもなく沈黙だけが流れ、葉月は次に話す言葉を探す。
「麻耶と……結婚させてください」
その言葉と同時に空気が動いた。
風が葉月にぶつかった瞬間に、胸ぐらを掴まれて壁に追い込まれた。
その手が喉を圧迫して息が苦しくなる。
苦し気に目を開くと、そこには鬼の形相をした父様がいた。
喉を押す力が益々強くなる。
このまま殺されるのだろうか?と頭の片隅で冷静に見ている葉月がいた。
それはそれでいいのではないかと半分諦めかける。
意識が朦朧とするなか喉の圧迫が消えて一気に空気が入り込んだ。
足りない酸素を補うために肩で大きく何度も吸い込む。
酸素が充満すると体の力が一気に抜けて崩れ落ちた。
何が起こったのか目だけを動かしてみてみると母親が止めに入ったのが分かった。
「あなた…葉月ちゃんの話を最後まで聞きましょう。怒るにしてもそれからです」
父親は納得できない様子だったが、母親の意見に従って座りなし、崩れ落ちている葉月を上から睨みつける。
その目を見据えながら葉月は言葉を続けた。
決心した言葉を伝えるために一度大きな深呼吸をして畳に付きそうなほど頭を下げ、もう後戻りはできないと自分に言い聞かせる。
「麻耶の…」
自分の物だと思えないぐらい、声が震えているのが分かった。
「麻耶のお腹には俺の子がいます」
今、2人がどんな顔をしているのか分からない。
身動き一つせずに、声を発することもなく沈黙だけが流れ、葉月は次に話す言葉を探す。
「麻耶と……結婚させてください」
その言葉と同時に空気が動いた。
風が葉月にぶつかった瞬間に、胸ぐらを掴まれて壁に追い込まれた。
その手が喉を圧迫して息が苦しくなる。
苦し気に目を開くと、そこには鬼の形相をした父様がいた。
喉を押す力が益々強くなる。
このまま殺されるのだろうか?と頭の片隅で冷静に見ている葉月がいた。
それはそれでいいのではないかと半分諦めかける。
意識が朦朧とするなか喉の圧迫が消えて一気に空気が入り込んだ。
足りない酸素を補うために肩で大きく何度も吸い込む。
酸素が充満すると体の力が一気に抜けて崩れ落ちた。
何が起こったのか目だけを動かしてみてみると母親が止めに入ったのが分かった。
「あなた…葉月ちゃんの話を最後まで聞きましょう。怒るにしてもそれからです」
父親は納得できない様子だったが、母親の意見に従って座りなし、崩れ落ちている葉月を上から睨みつける。
その目を見据えながら葉月は言葉を続けた。