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狂い咲く花
第10章 一、猩々木 - 祝福
「俺は…麻耶と結婚します。これから先の2人を…守ってやりたい。婚姻するまえに身籠ったことで言われもない誹謗や中傷から守ってやりたい…人として間違った順番かもしれません。だけど2人には何の罪もない…だから…」
崩れ落ちた身体をもとに戻して二人の瞳をきちんと見て告げる。
「麻耶と結婚させてください」
「美弥はどうするつもりだ…お前が一緒になりたいのは美弥だったはずだろう」
美弥の名前を出され葉月の顔が歪み、その目からは涙が溢れ出して止まらなくなる。
分かっていたことを言葉にされて美弥への愛情が湧き上がってきた。
「麻耶を守ってやりたい…そう思うのは立派だ。だがな。だったら美弥はどうなんだ?傷ついてもいいのか」
冷静に話す言葉が葉月の胸に静かに重くのしかかる。
考えていないわけではなかった。
どんなに悲しませるかぐらいは想像できる。
あの笑顔が二度と見れなくなるかもしれないと思うと胸が張り裂けそうで苦しくなる。
それでも麻耶との未来を選んだ。
「美弥には…幸せになってほしいと心から思っています。」
「だったら、なぜ麻耶を選ぶ」
父様の瞳から一粒の涙が零れ落ちた。
「…もし…身籠った麻耶を捨てて、美弥との結婚を願ったら許してくれますか?…万に一つ、おじさんたちが許してくれても…きっと美弥は許してくれない。自分だけ幸せになる方法は選ばない…そんな美弥を知っているから…」
「勝手に決めつけるな。…そう思い込んで自己満足か」
膝の上に乗せている拳が震えているのが見えた。
その拳を振り上げたいのを必死に押さえているのが分かる。
崩れ落ちた身体をもとに戻して二人の瞳をきちんと見て告げる。
「麻耶と結婚させてください」
「美弥はどうするつもりだ…お前が一緒になりたいのは美弥だったはずだろう」
美弥の名前を出され葉月の顔が歪み、その目からは涙が溢れ出して止まらなくなる。
分かっていたことを言葉にされて美弥への愛情が湧き上がってきた。
「麻耶を守ってやりたい…そう思うのは立派だ。だがな。だったら美弥はどうなんだ?傷ついてもいいのか」
冷静に話す言葉が葉月の胸に静かに重くのしかかる。
考えていないわけではなかった。
どんなに悲しませるかぐらいは想像できる。
あの笑顔が二度と見れなくなるかもしれないと思うと胸が張り裂けそうで苦しくなる。
それでも麻耶との未来を選んだ。
「美弥には…幸せになってほしいと心から思っています。」
「だったら、なぜ麻耶を選ぶ」
父様の瞳から一粒の涙が零れ落ちた。
「…もし…身籠った麻耶を捨てて、美弥との結婚を願ったら許してくれますか?…万に一つ、おじさんたちが許してくれても…きっと美弥は許してくれない。自分だけ幸せになる方法は選ばない…そんな美弥を知っているから…」
「勝手に決めつけるな。…そう思い込んで自己満足か」
膝の上に乗せている拳が震えているのが見えた。
その拳を振り上げたいのを必死に押さえているのが分かる。