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狂い咲く花
第10章 一、猩々木 - 祝福
「自己満足なんかじゃない…美弥はそういうやつだから…」
「お前に何が分かる!!俺の娘の何が分かる」
今にも葉月を襲いそうな勢いだった父親を止めたのはやはり母様だった。
握りしめて白くなった拳を優しく包み込み葉月に話はじめる。
「葉月ちゃん…。今日は帰ってもらえる?今のこの人にとって葉月ちゃんは敵でしかないの。何を話しても結論は出ないわ。それに、月のものが遅れているだけでしょう?ちゃんと見てもらったわけじゃいでしょう?だったら見てもらって、もし身籠っていることが本当だったら、それから考えましょう」
「お前は…怒らないんだな…麻耶も…美弥も傷つけるこいつに」
辛そうな顔をする父親の首に両手を回し自分の胸に押し当てる。
「私の大切な娘たちです。怒りもあります。…麻耶の身体のことも心配だけど…だけど一番に美弥の事を考えてあげたい。ここで怒りに任せて大声上げても何も変わらないんです。ましてや何も知らない美弥に気が付かれることが一番怖い。」
一番冷静な判断ができる母様が告げると、父様も頷く。
「葉月ちゃん…これから先の事はまず私たちで話し合います。その結果がでるまでこの家に近づかないで。もしまた、麻耶が葉月ちゃんの元に行くようなら追い返してちょうだい…葉月ちゃんが麻耶を守りたいように私は…美弥の心を守りたい」
その言葉に一線を引かれた感じがした。
強い口調なわけではない。
いつものように優しい口調の中に拒絶されたような思いがした。
「…分かりました…今日は帰ります…だけど俺の気持ちは変わらないから…それだけは分かってください」
深々と頭を下げて席を立ち、そのままドアを開けて外に出ようとした。
「お前に何が分かる!!俺の娘の何が分かる」
今にも葉月を襲いそうな勢いだった父親を止めたのはやはり母様だった。
握りしめて白くなった拳を優しく包み込み葉月に話はじめる。
「葉月ちゃん…。今日は帰ってもらえる?今のこの人にとって葉月ちゃんは敵でしかないの。何を話しても結論は出ないわ。それに、月のものが遅れているだけでしょう?ちゃんと見てもらったわけじゃいでしょう?だったら見てもらって、もし身籠っていることが本当だったら、それから考えましょう」
「お前は…怒らないんだな…麻耶も…美弥も傷つけるこいつに」
辛そうな顔をする父親の首に両手を回し自分の胸に押し当てる。
「私の大切な娘たちです。怒りもあります。…麻耶の身体のことも心配だけど…だけど一番に美弥の事を考えてあげたい。ここで怒りに任せて大声上げても何も変わらないんです。ましてや何も知らない美弥に気が付かれることが一番怖い。」
一番冷静な判断ができる母様が告げると、父様も頷く。
「葉月ちゃん…これから先の事はまず私たちで話し合います。その結果がでるまでこの家に近づかないで。もしまた、麻耶が葉月ちゃんの元に行くようなら追い返してちょうだい…葉月ちゃんが麻耶を守りたいように私は…美弥の心を守りたい」
その言葉に一線を引かれた感じがした。
強い口調なわけではない。
いつものように優しい口調の中に拒絶されたような思いがした。
「…分かりました…今日は帰ります…だけど俺の気持ちは変わらないから…それだけは分かってください」
深々と頭を下げて席を立ち、そのままドアを開けて外に出ようとした。