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狂い咲く花
第11章 二、青い薔薇 - 神の祝福
『誰を選ぶかは葉月の自由です。その葉月が麻耶を選んだのなら、私は祝福します。…それが幼馴染の私ができることですから。葉月ももう少し待ってて。麻耶も大丈夫だから安心して』
美弥がにっこり笑うと、豊田家の3人も少し笑顔になった。
『美弥ちゃん、ありがとう…本当にありがとう』
葉月の母親が泣きながら美弥にお礼を何度も何度も言って帰って行った。
その後も、父様が葉月を許すことはなかった。
頑なに葉月を拒絶して美弥たちとさえ話さなくなり孤立していく中、ちょっとした事件が起きた。
寺にいるはずの麻耶が姿を消したと知らせが相良家に届いたのは、春が過ぎ夏本番を迎えようとしていた頃だった。
身重な身体でどこに行ったのかと、みんなで手分けして探した。
どんなに探しても見つからなかった麻耶は葉月によって連れ戻された。
話では葉月に会いたい一身で寺から葉月の家まで歩いて行ったのだと説明された。
そこまでする麻耶の思いに父様は渋々だったが2人の仲を許すことにした。
その夜に父様は美弥の部屋に訪れて涙声になりながら告げた。
『これで…本当にお前はいいのか?つらくはなのか?』
『父様…。もしも母様が違う人を好きになって、自分よりその人と一緒にいたほうが幸せになれるとしたらどうしますか?』
『…』
『そういうことなんだと思います。好きだから幸せになってほしい…そう思うのは自然なことなんだと私は思ってます。二人が幸せなら私は幸せなんです。だから父様…2人を許してあげて』
美弥がにっこり笑うと、豊田家の3人も少し笑顔になった。
『美弥ちゃん、ありがとう…本当にありがとう』
葉月の母親が泣きながら美弥にお礼を何度も何度も言って帰って行った。
その後も、父様が葉月を許すことはなかった。
頑なに葉月を拒絶して美弥たちとさえ話さなくなり孤立していく中、ちょっとした事件が起きた。
寺にいるはずの麻耶が姿を消したと知らせが相良家に届いたのは、春が過ぎ夏本番を迎えようとしていた頃だった。
身重な身体でどこに行ったのかと、みんなで手分けして探した。
どんなに探しても見つからなかった麻耶は葉月によって連れ戻された。
話では葉月に会いたい一身で寺から葉月の家まで歩いて行ったのだと説明された。
そこまでする麻耶の思いに父様は渋々だったが2人の仲を許すことにした。
その夜に父様は美弥の部屋に訪れて涙声になりながら告げた。
『これで…本当にお前はいいのか?つらくはなのか?』
『父様…。もしも母様が違う人を好きになって、自分よりその人と一緒にいたほうが幸せになれるとしたらどうしますか?』
『…』
『そういうことなんだと思います。好きだから幸せになってほしい…そう思うのは自然なことなんだと私は思ってます。二人が幸せなら私は幸せなんです。だから父様…2人を許してあげて』