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山猫と狼
第2章 屈辱の午餐
クロードはナイフとフォークをしきりに動かし、美しいロイの姿を見ながら旺盛な食欲を発揮していた。
ロイは皿に手を付けず、目を伏せていた。
「召し上がらないのですか」
「敵の施しを受ける訳にはいかない。毒を盛っていないとも限らないからな」
「我々は、そんな野暮な真似は致しませんよ。
ウルリケでは食は最も大切なものです。毒を疑っていらっしゃるなら、私が毒味をしましょう」
そう言って、クロードはロイの皿の肉塊の一部を切り取り、口に運んだ。
「大丈夫ですよ。ロイ殿下もぜひ召し上がってください」
「私だけ食べるわけにはいかないだろう」
ロイの胸には、兵士たちの姿が浮かぶ。
「大丈夫ですよ。あなたの兵士たちにもきちんと食事を与えます。
まあ、殿下にお出しした料理ほど良質とは言い難いものになるかもしれませんが…。
これから『会談』が長引くかもしれませんから、お食べになった方が身のためですよ」
ロイは肉の匂いをかぎ、毒の有無を確かめた。
普通の肉の匂いだ、おそらく大丈夫だろう。
それから、一息に肉塊を口に入れ飲み下した。
悔しいが、クロードの野郎の言うことも一理ある。
今食べておかないと、体力が持たないかもしれない。
味わって食べている場合ではないので、ロイは掻き込むように食事を終えた。
フフフ、いいぞ。・・・これからたっぷり可愛がってやるんだから、今のうちにしっかり食べて力をつけておきなさい、山猫のお姫様・・・。
途中でへたばったら、つまらないからな。
たっぷり俺を愉しませてくれよ・・・!
クロードはロイをさりげなく見ながら、心の中で高笑いを響かせていた。
ロイは皿に手を付けず、目を伏せていた。
「召し上がらないのですか」
「敵の施しを受ける訳にはいかない。毒を盛っていないとも限らないからな」
「我々は、そんな野暮な真似は致しませんよ。
ウルリケでは食は最も大切なものです。毒を疑っていらっしゃるなら、私が毒味をしましょう」
そう言って、クロードはロイの皿の肉塊の一部を切り取り、口に運んだ。
「大丈夫ですよ。ロイ殿下もぜひ召し上がってください」
「私だけ食べるわけにはいかないだろう」
ロイの胸には、兵士たちの姿が浮かぶ。
「大丈夫ですよ。あなたの兵士たちにもきちんと食事を与えます。
まあ、殿下にお出しした料理ほど良質とは言い難いものになるかもしれませんが…。
これから『会談』が長引くかもしれませんから、お食べになった方が身のためですよ」
ロイは肉の匂いをかぎ、毒の有無を確かめた。
普通の肉の匂いだ、おそらく大丈夫だろう。
それから、一息に肉塊を口に入れ飲み下した。
悔しいが、クロードの野郎の言うことも一理ある。
今食べておかないと、体力が持たないかもしれない。
味わって食べている場合ではないので、ロイは掻き込むように食事を終えた。
フフフ、いいぞ。・・・これからたっぷり可愛がってやるんだから、今のうちにしっかり食べて力をつけておきなさい、山猫のお姫様・・・。
途中でへたばったら、つまらないからな。
たっぷり俺を愉しませてくれよ・・・!
クロードはロイをさりげなく見ながら、心の中で高笑いを響かせていた。