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山猫と狼
第13章 女王の裏切り
スノートルが現王妃ロイの昔の臣下であったためか、彼は難なく城内へと入ることができた。


「ロイ妃殿下はお元気でしょうか」


侍女に尋ねると、彼女は短くはいと答えた。


「謁見を申し込みたいのですが」


「承知しました。こちらで少々お待ちください」


あまりにあっさりうまくいったので、スノートルは逆に不安になる。


「お待たせしました、こちらへどうぞ」


三十分ほど待った後、部屋に通された。


部屋に入ると、大きな赤い寝台が目に飛び込んできた。どうやら寝室らしい。


「これはこれは、スノートル君ではありませんか!お変わりありませんか」


振り返ると、ロイではなくクロードが立っていた。


スノートルは拍子抜けしてしまう。


「はあ・・・・お陰様で。・・・・・あの、ロイ妃殿下はどうしておられますか。たまたまウルリケに来たので、ぜひ謁見したいと思いまして」


「それでは、今夜お会いできますよ」


クロードはそう言うと、棚の後ろに隠されていた扉を開け、スノートルを薄暗い小さな部屋に案内した。


「ここでその時が来るのを待っていてください。


こちらにはたくさん書物もありますから、きっと退屈しないはずです」


クロードは扉を閉める前に、笑みを浮かべながら


「ロイ妃殿下は、国王暗殺よりも面白いゲームを見つけたようですよ」


と言い、そっと扉を閉めた。


・・・・・・あいつは、全部知っていたんだ!


スノートルは恐怖で顔を青くし、体を震わせた。

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