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山猫と狼
第3章 地獄への入り口
そんな彼女の美しい決意を踏みにじることを思うと、クロードはたまらなく興奮を掻き立てられた。


心を固めた軍服のロイが「黒の間」にやって来た。


ロイは深呼吸してノックをすると、普段着に着替えたクロードが現れた。


「ようこそ。お待ちしていました」


部屋の中には長椅子と書物机、それから大きな寝台が中央に置かれていた。


どうも様子がおかしい。


「美しいロイ殿下、あなたの美しさに目がくらんでしまったわたくしをお許しください」


クロードはそう言うとロイに跪いて彼女の手にキスをし、恋人同士のように抱擁した。


軍服を着ていたロイとクロードの絡み合う姿は、まるで美しい青年同士の行為のようにも見えた。
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