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山猫と狼
第9章 絶頂を迎えて
しかし彼女の眠りは、ほんの数時間で破られてしまった。
ドアがノックされる音に続き、クロードが鍵を開けて入ってきた。
外は暗く、まだ夜明け前らしかった。
起こされたロイは唇をぶるぶる震わせ、男を強く睨みつける。
「お休みのところすみません」
言葉とは裏腹にまったく遠慮のないクロードは、彼女のベッドの脇に座った。
「どうしても、ロイ殿下と夜を共にしたいと思いまして」
クロードの言葉に嫌悪感を覚えながら、触れるか触れないかの乳房へのタッチにロイは腰が砕けそうになるが、何とか理性を保った。
「一人にしてほしい。もう十分、お前の遊びにつきあってやっただろう。これ以上何が望みなんだ。いい加減、私と兵士たちを開放してくれないか」
ロイはクロードの手を払い除け、邪険に言った。
「言いましたよね。ロイ殿下は私の花嫁になるのです。
もし拒否なさるなら、私はこの世の全てを破壊してでもあなたを手に入れます」
クロードの鬼気迫る表情に、さすがのロイもたじろいた。
こいつなら、やりかねない。
彼女にそう思わせるほど、彼は狂気をむき出しにしていた。
「さあ、楽しい夜を過ごしましょう」
狂気を滲ませたまま、クロードは微笑んだ。
その笑顔は不気味でもあり、恐ろしくもあり、同時にひどく魅力的でもあった。
ロイは心ならずも、クロードの魔力に引き込まれ始めていたのだ。
ドアがノックされる音に続き、クロードが鍵を開けて入ってきた。
外は暗く、まだ夜明け前らしかった。
起こされたロイは唇をぶるぶる震わせ、男を強く睨みつける。
「お休みのところすみません」
言葉とは裏腹にまったく遠慮のないクロードは、彼女のベッドの脇に座った。
「どうしても、ロイ殿下と夜を共にしたいと思いまして」
クロードの言葉に嫌悪感を覚えながら、触れるか触れないかの乳房へのタッチにロイは腰が砕けそうになるが、何とか理性を保った。
「一人にしてほしい。もう十分、お前の遊びにつきあってやっただろう。これ以上何が望みなんだ。いい加減、私と兵士たちを開放してくれないか」
ロイはクロードの手を払い除け、邪険に言った。
「言いましたよね。ロイ殿下は私の花嫁になるのです。
もし拒否なさるなら、私はこの世の全てを破壊してでもあなたを手に入れます」
クロードの鬼気迫る表情に、さすがのロイもたじろいた。
こいつなら、やりかねない。
彼女にそう思わせるほど、彼は狂気をむき出しにしていた。
「さあ、楽しい夜を過ごしましょう」
狂気を滲ませたまま、クロードは微笑んだ。
その笑顔は不気味でもあり、恐ろしくもあり、同時にひどく魅力的でもあった。
ロイは心ならずも、クロードの魔力に引き込まれ始めていたのだ。