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山猫と狼
第2章 屈辱の午餐
ロイはクロードに連れられ、城まで戻った。
城へ戻るやいなやロイは侍女たちに囲まれ、小さな部屋に通された。
見張りの兵士も二人、一緒に部屋へ入る。
「失礼します」
彼女は一礼をしてロイの軍服に手を掛けた。
「何をする・・・!」
ロイは侍女を睨みつけた。
「お言葉ですが、マダム。このままで午餐の席に上がるのはいかがなものかと」
「午餐だと?私は呑気に飯を食らっている場合ではない」
その時、ドアの外で聞き耳を立てていたクロードが部屋に押し入ってきた。
「戦場の泥や返り血にまみれた軍服では、食事もまずくなりますよ」
「余計なことを。今すぐ話し合いをしようじゃないか、『狼』さんよ?」
「郷に入れば郷に従え。ウルリケ国では権力者同士の会談は食事の席を設けてからと決まっているのです」
クロードはさらに言葉を継ぐ。
「私どもの考えに従っていただけないと、あなたの大切な兵士たちが悲しむことになりますよ」
「卑怯者め」
ロイは吐き捨てるように言った。
クロードは、そんなロイの様子を不敵な笑みを浮かべて見ている。
城へ戻るやいなやロイは侍女たちに囲まれ、小さな部屋に通された。
見張りの兵士も二人、一緒に部屋へ入る。
「失礼します」
彼女は一礼をしてロイの軍服に手を掛けた。
「何をする・・・!」
ロイは侍女を睨みつけた。
「お言葉ですが、マダム。このままで午餐の席に上がるのはいかがなものかと」
「午餐だと?私は呑気に飯を食らっている場合ではない」
その時、ドアの外で聞き耳を立てていたクロードが部屋に押し入ってきた。
「戦場の泥や返り血にまみれた軍服では、食事もまずくなりますよ」
「余計なことを。今すぐ話し合いをしようじゃないか、『狼』さんよ?」
「郷に入れば郷に従え。ウルリケ国では権力者同士の会談は食事の席を設けてからと決まっているのです」
クロードはさらに言葉を継ぐ。
「私どもの考えに従っていただけないと、あなたの大切な兵士たちが悲しむことになりますよ」
「卑怯者め」
ロイは吐き捨てるように言った。
クロードは、そんなロイの様子を不敵な笑みを浮かべて見ている。