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山猫と狼
第10章 完全なる結婚
「私が飲ませて差し上げますよ」


彼は紅茶を一口含むと、ロイの唇を自らの唇で無理やりこじ開け、琥珀色の液体を注いだ。


「美味しいですか、ロイ殿下」


サディスティックな笑みを浮かべながら、クロードが訊ねる。


その時、ロイはクロードに向かい、勢いよく口内の液体を吹きかけた。


クロードは彼女の霧吹きをまともに受けたが、


「・・・これは驚いた。そんなところもチャーミングですね。ますます好きになりました」


と手で顔を拭いながらさも嬉し気に、にこやかに言った。


ロイの反抗に怒るどころか楽しんでしまうクロードは、ロイとスノートルにとって不気味な存在だった。


こいつは、本物の変態だ・・・!こんな得体のしれない化け物に、果たして敵うのだろうか・・・。


ロイはクロードの猟奇性が恐ろしくなり、絶望的な気分になった。



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